広瀬新竜王が一夜明け会見 羽生前竜王とのシリーズを振り返る 「こういう時に結果を出す人が勝ち残っていく世界だという意識で臨みました」

スポーツ報知
一夜明け会見の後、壇ノ浦の合戦跡地で源義経像の前で笑顔を浮かべる広瀬章人新竜王

 山口県下関市で20、21日に行われた将棋の第31期竜王戦7番勝負第7局で羽生善治前竜王(48)に勝ち、タイトルを奪取した広瀬章人新竜王(31)が22日、一夜明け会見に臨み、喜びを語った。

 新竜王誕生を伝える朝刊を広げ、笑顔の広瀬は「本当に長くて厳しいシリーズでしたけど、自分の持てる力を出して、このような結果になり満足しています。(記事を見て)大きなことをやったんだなあと思います」と振り返った。

 前夜は深夜12時半に就寝。殺到していた祝福のメッセージは起床後にさらに増えていた。「いろんな方から連絡をいただいて、大きなことだったんだなあと思いました」。昨年末に結婚した夫人とはLINEで喜びを分かち合った。「ひとことふたこと。『お疲れ様』というくらいです」。朝、色紙に「竜王 広瀬章人」と揮毫(きごう)して、ようやく実感が沸いてきた。

 2010年の王位獲得後、8年ぶり2度目のタイトルを奪取し、羽生前竜王は27年ぶりの無冠に転落した。「我々の世代にとって羽生さんは先頭を走り続けてきた方。スター棋士が無冠のピンチの時に自分が挑戦者になるのは不思議な巡り合わせを感じましたが、長い歴史の中では、こういう時に結果を出す人が勝ち残っていく世界だと思っているので。そういう意識を持って挑めたのが良かったのかなと思います」

 棋界最高位に就き、将棋界の顔にもなる来年の抱負を「タイトルを防衛したことがないので、防衛戦は目標のひとつですし、他棋戦でもコンスタントに活躍できる年にしたいなと思います」と語っていた。

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