米津玄師、紅白初出場＆テレビ初歌唱

　シンガー・ソングライターの米津玄師（よねづ・けんし、２７）が、大みそかの第６９回ＮＨＫ紅白歌合戦（後７時１５分）に白組で初出場することが２５日、分かった。

　関係者によると、出身地の徳島県内から生中継で歌声を披露する。これまでテレビ番組のＶＴＲ出演はあったが、生出演は初めて。歌唱自体もなかったため、紅白がテレビ初歌唱になる。

　４年ぶり５回目の出場が追加発表されたサザンオールスターズと同様、目玉歌手の１組として、ＮＨＫ側は回答期限を設けず、米津側に出演を依頼。メディア露出をほとんどしない活動スタイルから出場は絶望視されていたが、粘り強い交渉が実を結び、２５日までに出場が内定した。

　曲目は１月期のＴＢＳ系ドラマ「アンナチュラル」（石原さとみ主演）の主題歌で、今年を代表する１曲となったヒット曲「Ｌｅｍｏｎ」を予定。ミュージックビデオの再生回数２億４０００万回超。日本レコード協会からは“史上最速”のミリオンダウンロードの認定を受けるなど、若者を中心にヒットした。

　関係者によると、出演を決めた最大の要因は、昨年他界した祖父への思いにあるという。同曲の制作途中に祖父を亡くし、「あなたが居（い）なくなって悲しい」という気持ちが込められている。祖父が亡くなって１年、自身の故郷であり、祖父の暮らしていた徳島で「Ｌｅｍｏｎ」を歌うことの意味を感じることができたことで出演を決めた。

　昨年、米津との共演で「打上花火」を歌ったラップ歌手・ＤＡＯＫＯ（２１）も紅組で初出場する。引退目前だった安室奈美恵さん（４１）が出場した昨年に比べて「目玉不在」とささやかれていた中、土壇場で人気歌手が加入。がぜん盛り上がりを見せそうだ。

　◆米津　玄師（よねづ・けんし、本名同じ）１９９１年３月１０日、徳島県生まれ。２７歳。２００９年から「ハチ」名義でニコニコ動画で活躍。１２年、米津玄師名義でアルバム「ｄｉｏｒａｍａ」を発売。１５年初の全国ツアー開催。１７年アルバム「ＢＯＯＴＬＥＧ」が初週チャート２３冠達成。「〈ＮＨＫ〉２０２０応援ソング」として男女５人組ユニット「Ｆｏｏｒｉｎ」が歌う「パプリカ」の作詞・作曲、プロデュースも手がける。