柳亭小痴楽、神田松之丞の真打ち昇進が決定 小痴楽は来年9月、15年ぶり単独昇進 松之丞は20年2月

スポーツ報知
柳亭小痴楽(左)と神田松之丞

 落語家・柳亭小痴楽(30)、講談師・神田松之丞(35)が真打ち昇進が28日、決まった。所属する落語芸術協会(三遊亭小遊三会長代行)が同日、都内で理事会を開き、来年2019年9月下席に小痴楽の、2020年2月中席に松之丞の真打ち昇進をそれぞれ承認した。

 小痴楽、松之丞は同協会二ツ目11人で結成したユニット「成金」で人気を博した。小痴楽は江戸っ子の雰囲気を色濃く出す落語家として活躍。父親が5代目・柳亭痴楽の2世落語家だが、父親は闘病の末、小痴楽の二ツ目昇進を前に亡くなっている。松之丞は「チケットの最も取れない講談師」との異名を取るなどブレークしていた。

 同協会での真打ち昇進は例年5月で、小痴楽は順当に行けば2020年の5月の昇進だったが、人気、実力を評価。前倒ししての9月の真打ち昇進を決定。単独での真打ち昇進は2004年の桂米福以来、15年ぶりとなる。松之丞は数年前から席亭の推薦での真打ち昇進が協議されていたが、否決されていた。

 松之丞は日本講談協会にも所属。落語芸術協会の二ツ目の香盤では落語家9人を追い抜く形となったが、芸協では、落語家と講談師の香盤は別物と判断。7月2日に亡くなった前会長の桂歌丸さんが抜てき真打ちについて否定的な考えを持っており、意向に沿って、講談師では順番を守る形で、今回の昇進が決まった。

 2人が活動している「成金」は13年の結成からメンバーで誰かが真打ちに昇進したタイミングで解散することを明言しており、解散することになる。

 2人とも真打ち昇進に伴い、襲名、改名などは現時点では未定となっている。

 ◆柳亭 小痴楽(りゅうてい・こちらく)本名・沢辺勇仁郎(さわべ・ゆうじろう)1988年12月13日、東京生まれ。30歳。5代目・柳亭痴楽の次男として生まれる。2005年10月、桂平治(現・文治)に弟子入りし「桂ち太郎」。08年6月、父・痴楽門下に移り「柳亭ち太郎」。09年9月、痴楽死去後、柳亭楽輔門下へ。同年11月に二ツ目昇進し「3代目・小痴楽」となる。15年、16年にNHK新人演芸大賞決勝進出。17年、NHK Eテレ「落語ディーパー!」に出演。今年10月から文化放送「SHIBA-HAMAラジオ」(月~金曜・後7時)の木曜パーソナリティを務める。

 ◆神田 松之丞(かんだ・まつのじょう)本名・古舘克彦。1983年6月4日、東京生まれ。35歳。武蔵大を卒業後の07年11月、神田松鯉に入門。12年6月、二ツ目に昇進。血液型A。17年3月「花形演芸大賞銀賞」を受賞。日本講談協会、落語芸術協会に所属。著書に「絶滅危惧種、講談師を生きる」(新潮社)、「神田松之丞 講談入門」(河出書房新社)。TBSラジオ「神田松之丞 問わず語りの松之丞」(日曜・後11時)のパーソナリティーを務める。

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