舘ひろし、芸能界きっての通が語るラグビーの魅力「本能的だけど紳士的」

スポーツ報知
インタビューに応じた舘ひろし。ラグビーに対する熱い思いを語った(カメラ・義村 治子)

 俳優の舘ひろし(68)は愛知・千種高ラグビー部出身で、19年W杯のPRキャプテンを務める。ツイッターにも挑戦して魅力を発信中。世界中の試合をチェックする芸能界きってのラグビー通に、大会の楽しみ方や魅力を聞いた。(聞き手・大和田 佳世)

 ―いよいよ今年、ラグビーW杯が日本で開催される。

 「前回の15年イングランド大会は、聖地・トゥイッケナムでイングランド対ウェールズを見た。少しプレーが滞ってくると、観客みんなが(イングランドの応援歌)『スイング・ロウ、スウィート・チャリオット』を歌って、わ~っとなる。あの雰囲気はなかなかない。あれが日本にくると思うとうれしいね」

 ―普段からラグビーは見ているか。

 「日本代表はもちろんトップリーグ、大学生も見る。スーパーラグビーは放映される分は全部見るし(欧州)6か国対抗、フランス1部リーグも。フランスは南半球のいい選手が一緒のチームでプレーしているのが楽しい。録画して今の反則は何だったんだ、トライはどうつながって、どこの守備が悪かったとか見返して確認する。映画も見なきゃいけないし、その間で台本を覚えるから忙しいよ(笑い)」

 ―高校時代はラグビー部だった。

 「体操部に入ってバック転ができるようになろうと思っていたけど、1つ上の主将に誘われて入部した。細くて『タックルを受けるのがかわいそう』と言われて、ウィングに始まってセンター、FB。だからFWのことはよく分からないんだけど…。うさぎ跳びで鍛えて水を飲むのはダメな時代。つらかったな」

 ―思い出はつらくても、ラグビーを大好きでいられる魅力は。

 「本能的だけど紳士的、二律背反なところ。プレー中にカチンときても紳士でなければいけない。抑圧された魅力がある。前回のW杯ベストシーンは、南アフリカが日本に敗れて、誰もがガッカリしている中でフランカーのスカルク・バーガーが笑顔で握手をしていたところ。あの態度は簡単にはできない。握手をするところまでがラグビー。どの試合でも必ずそこまで見るようにしている」

 ―ラグビーは初心者にはルールが難しいと言われる。

 「僕が説明する時は、ボールを前に投げちゃいけない、前に落としちゃいけない、の2つだけ。あとは相手をおもんぱかっているかどうか。全ての細かいルールを選手が把握してるとも限らないんだから、いいんです(笑い)」

 ―W杯で日本代表への期待は。

 「リーチは素晴らしい主将。プレーも危険な場面に必ずいてくれる。(1次リーグ突破へ)スコットランド戦で何とか頑張ってほしい。SHレイドロー、FBホッグ、SOラッセル。その3人を抑えてほしいね」

 ◆舘 ひろし(たち・ひろし)1950年3月31日、名古屋市生まれ。68歳。千種高でラグビー部に所属。75年にロックバンド「クールス」のボーカルとしてデビュー。76年、映画「暴力教室」で俳優デビュー。代表作にドラマ「西部警察」(79年~)、「あぶない刑事」(86年~)など。映画「終わった人」(中田秀夫監督)で18年モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞。歌手としてもNHK紅白歌合戦出場2回。家族は妻。身長181センチ。

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