海老蔵が襲名する市川團十郎白猿の「白猿」とは…

スポーツ報知
口上を述べる海老蔵

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(41)が来年5月に13代目市川團十郎白猿(はくえん)を、長男の堀越勸玄くん(5)が8代目市川新之助を襲名することを14日、松竹が発表した。2人はこの日午前9時、東京・東銀座の歌舞伎座で会見。海老蔵は「己の命の限り懸命に歌舞伎に生きてまいりたい」と決意を語った。同年5月から7月、歌舞伎座で史上最大級の襲名披露興行を行った後、7月24日の東京五輪開会式に登場し、世界に新・團十郎をアピールすることが有力視されている。

 ◆白猿 2代目團十郎の俳名・栢莚(はくえん)を、5代目團十郎が、人間に及ばない猿という俗信を踏まえ、名人に及ばないという意味で白猿の文字を当てて名乗った俳名。海老蔵は「私も父や祖父にまだまだ及ばぬ、もっと精進していこうという気持ちを含め名乗ることにしました」と説明した。

 ◆市川團十郎 元禄時代(1660~1704年)に活躍した初代團十郎が、初期の歌舞伎と浄瑠璃を融合させ、歌舞伎における荒事(勇猛、豪快な演技)芸の基礎を構築。江戸歌舞伎の中心人物となり、400年以上にわたって代々名前が受け継がれてきたことから、歌舞伎役者の名跡の中でも最も権威のある名前とされる。なお、屋号の「成田屋」は、初代團十郎が成田山新勝寺を深く信仰していたことからつけられた。

 ◆市川 海老蔵(いちかわ・えびぞう)本名・堀越寶世(たかとし)。1977年12月6日、東京都生まれ。41歳。83年5月、歌舞伎座「源氏物語」の春宮で初お目見え。85年5月、歌舞伎座「外郎売」の貴甘坊で7代目市川新之助を名乗り初舞台。2004年5月、歌舞伎座「暫」の鎌倉権五郎ほかで11代目市川海老蔵を襲名。妹は舞踊家の市川ぼたん。

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