女流名人戦きょう開幕…里見香奈女流名人、28年ぶり棋戦10連覇懸かる

スポーツ報知
対局が行われる岡田美術館・開化亭の前で笑顔を見せる里見香奈女流名人(右)と伊藤沙恵女流二段(カメラ・関口 俊明)

 女流棋戦史上最多タイの10連覇を狙う里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=と、2期連続の挑戦で初タイトルを目指す伊藤沙恵女流二段(25)による第45期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負が20日、神奈川県箱根町の岡田美術館で開幕する。19日に現地入りした2人は同美術館内の対局場での検分に臨み、気持ちを高めた。

 里見は昨年12月22日に、大阪市内の駅で階段を踏み外し、左くるぶしを捻挫。1か月近くたった今も移動には松葉づえを使用しており、恒例の美術館見学は見送った。正座ができないため、検分では座り方などを入念にチェック。1990年度に林葉直子さんが女流王将戦で達成して以来28年ぶりの棋戦10連覇が懸かる戦いに「周りの方々にサポートしていただき、感謝。将棋に集中して、自分の力を発揮したい」と努めて明るく話した。

 伊藤は、美術館で1948年に女性初の文化勲章を受章した上村松園の美人画「汐(しお)くみ」などを鑑賞しリフレッシュ。里見の負傷には「大丈夫なんでしょうか? 心配です」と気遣う一方で、「とにかくいい将棋を指して、シリーズを盛り上げ、結果につながれば」と昨期のストレート負けからの反撃を期した。

 箱根仙石原プリンスホテルで開催された前夜祭では約70人の出席者を前に「将棋そのものを楽しんで指したい」(里見)、「全力でぶつかっていきたい」(伊藤)と健闘を誓い合った。

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