主演女優賞・門脇麦、活力源は「満員電車」挫折をバネに…ブルーリボン賞

スポーツ報知
受賞作の役同様、ボブヘアが似合う門脇麦

 東京映画記者会(報知新聞社など在京7紙)が主催する「第61回(2018年度)ブルーリボン賞」が20日、決まった。主演男優賞は「終わった人」(中田秀夫監督)の舘ひろし(68)、主演女優賞は「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)の門脇麦(26)が、ともに初受賞となった。作品賞は「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)が選ばれた。授賞式は2月6日、東京・内幸町のイイノホールで行われる。

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 吉報は入浴中に飛び込んできた。同じ事務所の先輩、安藤サクラ(32)らも過去に主演女優賞を獲得。門脇は「ずっと強く憧れていた賞。でも信じられなくて」。半信半疑の思いは、じんわり心の底から込み上げる喜びへと変わった。

 破天荒に生きた若松孝二監督の伝説。ここで映画づくりに魅了されるも若くして逝った実在の女性を好演した。役にのめり込むほど「監督にお会いし、作品に出てみたかった」という思いは強くなった。若松氏のことを熟知する者に囲まれる中での撮影。「周りの人たちが私を真ん中に立たせてくれた」と感謝する。

 バレリーナになる夢は中学で散った。「どれほど努力しても無理なことがあると知った」。“敗北者”の自分に耐えられず演技の道へ。活力源は「満員電車」だという。「その中にいると『私も頑張ろう』と思えるから」。芝居の神様は、門脇を女優にさせるために若き挫折を与えたのかもしれない。

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