5番勝負第1局で先勝の里見女流名人一夜明け 同日の藤井七段の将棋に感銘「最先端の先を」

スポーツ報知
第1局の勝利を掲載した本紙を掲げる里見香奈女流名人(カメラ・関口 俊明)

 神奈川県箱根町の岡田美術館で20日に行われた将棋の第45期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=株式会社ユニバーサルエンターテインメント)の第1局から一夜が明けた21日、挑戦者の伊藤沙恵女流二段(25)に先勝した里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=は「次局まで1週間くらいあるので、昨日の将棋を反省して臨みたいです」と第2局を見据えた。

 写真撮影では、箱根の名産品である寄木細工のけん玉に挑戦。器用な手つきを披露し「小さい頃、けっこうけん玉をやっていたので…」と笑顔。多芸ぶりを見せた。

 10連覇を目指す開幕局では、持ち時間3時間の3分の1以上にあたる66分の長考の末に指した一手によって主導権を握り、勝利につなげた。「時間を使って失敗することもあるので難しいんですけど、一気に動く可能性のある局面だったので、時間を使って考えられたのはよかったなと思います」。充実の表情で振り返った。

 昨年末に左足くるぶしを捻挫。松葉づえと副木の欠かせないシリーズになりそうだが「とにかく負担を掛けないように、安静にします」と前向き。患部に熱を持たせないため、前夜も箱根の温泉につかる欲求をグッとこらえた。

 前夜は、同日に行われた他の対局の棋譜にも注目。朝日杯オープンで藤井聡太七段(16)が稲葉陽八段(30)、糸谷哲郎八段(30)という順位戦A級在位者2人に完勝した将棋に感銘を受けた。「最先端の先を走っていて、常に研究手が飛んでくるような将棋が多く見られます。本当に素晴らしいと思います」と賛辞を送っていた。

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