伊藤女流二段、2連敗で崖っぷち「全力尽くすだけ」
スポーツ報知

◆第45期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負 第2局 主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント(27日・出雲文化伝承館)
島根県出雲市の出雲文化伝承館で27日、第2局が行われ、先手の里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=が挑戦者の伊藤沙恵女流二段(25)に121手で勝ち、2連勝で10連覇に王手をかけた。序盤に奪ったリードを生かし切れず、挑戦者の勝負術で一時は形勢不明に。「チグハグ」と反省の弁を繰り返す一局ながら、最後は辛くも勝ちを拾った。第3局は2月10日、千葉県野田市で行われる。
持ち前の粘り腰も及ばなかった。1時間休憩を挟んでも約8時間の長丁場。本棋戦5番勝負では自身初の一分将棋に突入し、秒針との闘いの中で気迫の追い込みを見せたが「う~ん…粘って勝負形にはなりましたが、こちらの勝ちの展開がなかなか見つからなかった。少しずつ足らなかったかな」。アウェーの地で2連敗を喫し、崖っぷちに立った。
序盤に自ら歩交換を申し出たことで苦しくした。「それを悔やんでもしようがない。形勢はあまり良くないと思いながらも何とか食らいつきたい、と」。今月23日の竜王戦6組ランキング2回戦では高田尚平七段(56)と対戦。負けたもののベテラン男性棋士との勝負で闘志に火がつき「テンションは維持できています」と奮い立ったが、それでも一押しがきかず。「全力を尽くすだけ」―。残した爪痕から初星への扉をこじ開けたい。(筒井 政也)