畠山鎮七段「里見女流名人はもっと差をつけて勝てている将棋。伊藤女流二段は気持ち切り替えたか」

スポーツ報知
左くるぶし捻挫のため、松葉づえ姿で大盤解説会場に登壇した里見女流名人(左)と伊藤女流二段

◆第45期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負 第2局 主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント(27日・出雲文化伝承館)

 里見女流名人は「勝った」という感覚を持てなかったはずの一局で、もっと差をつけて勝てている将棋だったと思っていると思います。

 伊藤女流二段が54手目から△3四銀~△4五銀~△5四銀と銀をタダ捨てして局面を打開した順は迫力がありました。70手目から80手目くらいには明らかにチャンスが来ていて、82手目△6一銀を打ったあたりは、里見さんには何度も負けの局面が見えていたはずです。感想戦を聞くと、続く▲5三金は勝算がないまま打ったようです。この局面で(△6二銀右に代えて)△3四角と出ていれば、むしろ伊藤さんの方が良かったと思います。連敗してはいますが、伊藤さんが気持ちを切り替えたように見えたのは、次局を考えると大きいと思います。(談)

 ◆畠山 鎮(はたけやま・まもる)1969年6月3日、神奈川県生まれ。49歳。89年、四段(棋士)昇段。2006年、七段。熱く攻める棋風。順位戦B級1組に在籍。斎藤慎太郎王座の師匠。双子の兄・成幸も将棋棋士(八段)。

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