坂上忍「後ろめたさがなければ本当の事言えばいいのに」フジが市長の海外視察に“勝手に密着”

スポーツ報知
1日に放送される「金曜プレミアム 実録!金の事件簿」(C)フジテレビ

 各地の市長や議員らの海外視察に“勝手に密着”し、公費の使い方について視聴者や納税者に問いかける人気企画が、2月1日にフジテレビ系「金曜プレミアム 実録!金の事件簿」(後7時57分)で放送される。

 これまで報じた香川県議の海外視察では、その実態を知った住民が返還訴訟を起こす事態に。また、北九州市議会の海外視察でも昼からワインやビールを飲む様子などが確認され、定期的な海外視察が廃止されるなど大きな反響を呼んだ。

 今回、番組が密着したのは、全国815の市長区長が所属する「全国市長会」が企画・募集し、昨年10月に行った7泊8日のフィンランド、スイス視察。「教育と福祉、町づくりとオリンピック・レガシーを含む文化視察」を目的に、富山県滑川市、岡山県真庭市、茨城県常陸大宮市の市長と関係者ら計8人が、スイスとフィンランドを巡った。総額572万円は、それぞれの市が分担したという。

 高齢者施設や日本大使館、小中一貫校を精力的に視察する一方で、ヘルシンキでは報告書で「視察」としている改修中の競技場や国会議事堂前を一行が乗ったバスは素通り。税金(飲み物代を除く)から支払われるディナーを取る様子や、ヘルシンキの世界遺産を訪れた後にはランチでビールを飲む姿も確認できた。行程の終盤に番組が直撃すると、聞いてもいないのに自ら「昼間からだれもビールは飲んでいない」と強く否定。しかし証拠の動画を見せられると訂正し「取材に来るやつがいるんじゃねーかと思って警戒していた」と主張した。

 滑川市は真庭市や常陸大宮市と違って東京五輪参加国のキャンプ地になっておらず、オリンピック・レガシー(五輪後の施設活用)を学ぶ視察をなぜ選んだかは不明。番組が帰国後に滑川市長に再取材すると、「無礼者、楽しい時間(の時)にね。全行程の最後に気分の悪い話を持ってくるんだから、そりゃ怒りますよ」「オリンピック・レガシーの言葉が分からなかった」「私、全部忘れちゃうの」「市長そのものが(行き先を)企画やってないもんだから(市に関係する視察先ばかりではない)」などと答えた。

 スタジオでVTRを見ていた六角精児(56)は「息抜きなら『息抜き』って明確に示せば、こちらも納得するわけじゃないですか。後ろめたいことをファジーにするから変なことになっちゃった」。MCの坂上忍(51)も、これまでの香川県議、北九州市議の例に比べて視察自体に問題はなかった印象を持つ一方で「政治家のみなさんは、後ろめたさがなければ本当の事をカメラに向かって言えばいいのに」とコメントした。

 取材した同局の森政貴プロデューサー(31)は、「昼のビールも、移動日だし問題視するほどとは思っていなかったが、直撃で自らあんなにウソ(否定)を言い始めるとは。こんなに取り乱すとは思わなかった」と驚く。問題と思ったのはむしろ、課題の違う市長がツアー形式で一緒に行くことで「本来はそれぞれの市が課題に基づいて視察し、それを市政に生かすもの。集団で行く意味があるのか」と疑問を投げかけ、「これでは『ご褒美旅行では』という声も出てくるかも」と指摘する。

 一方で、これまで告発してきた番組の影響力は大きかったようで「相当、警戒されていました」と振り返る。「海外視察とは、報告書以外に誰の目にも触れられることのない(検証しにくい)ものだった。税金で行っているのですし、(意味のない海外視察は)行かなくなるのが報道機関としての望み」と森プロデューサー。今後も継続的に神出鬼没し、抑止力になれればと語った。

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