伝説の絵本「ビビを見た!」で岡山天音が舞台初主演「未知への怖さと楽しみが…」

伝説の絵本として知られる「ビビを見た!」が、7月に横浜市のKAAT 神奈川芸術劇場で舞台化されることになり、俳優の岡山天音(24)が舞台初主演することが5日、分かった。
「ビビ―」は童話作家の大海赫(おおうみ・あかし)さんが1974年に発表した絵本。光を失った世界で、7時間だけ目が見えるようになった盲目の少年・ホタルが、乗り込んだ列車で全身緑色の少女・ビビと出会い運命に身を任せる姿が、強烈な色彩と印象的なせりふとともに描かれる内容が強烈なインパクトを残し、作家の吉本ばなな氏も幼少期に影響を受けたと公言している。
盲目少年役 確かな演技力で映画やドラマで活躍中の岡山だが、初の主演舞台に「このような深く衝撃的な作品にめぐり合えたことを幸せに思います。『ビビを見た!』という鮮烈な世界を僕の肉体を通して表現する。未知への怖さと楽しみが体の中で渦巻いています」と意欲。今の僕にできる全力で、主人公ホタルを演じられるよう精いっぱいがんばります」と語る。
長年舞台化の企画を温めてきた上演台本・演出の松井周氏も「岡山さんの魅力はクセがなく、ウソのない芝居をするところだと思います。しかも少年のような愛嬌(あいきょう)もあり、今回の役にピッタリ」と太鼓判。「崩壊する世界に直面し、生き延びていこうとする姿は、わたしたちの持つ弱さや焦りや、背伸びしながらの勇気を代弁してくれるのでは」と熱演に期待を寄せる。
ヒロイン・ビビ役の石橋静河(24)も「ビビとホタルを乗せた列車が小さな音を立てながら、すぐそこまで来ているような気配を感じます」と本番を心待ちにしている様子。「まるで美しい悪夢のようなこのお話に、同い年の岡山さんと切磋琢磨(せっさたくま)しながら時に助け合いながら、体と心を目いっぱい使って挑みたいと思います」と意気込んだ。
◆岡山 天音 (おかやま・あまね)1994年6月17日、東京都生まれ。24歳。09年、「漫画家になりたい」と夢をつづり応募したNHK「中学生日記」のオーディションに合格し俳優デビュー。17年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」などで人気を博し、現在はTBS系「ゆうべはお楽しみでしたね」、テレビ東京系「デザイナー 渋井直人の休日」と2本の連ドラに出演中。