八千草薫、すい臓がん 昨年手術していた…連ドラのヒロイン風吹ジュンに交代

スポーツ報知
しばらくがんの治療に専念する八千草薫

 女優の八千草薫(88)が、昨年がんの手術を受け、闘病中であることが8日、スポーツ報知の取材で分かった。この日、テレ朝は4月スタートの連ドラ「やすらぎの刻(とき)~道」で八千草が演じる予定だったヒロインが風吹ジュン(66)に代わることを発表。約70年の女優人生で仕事を休んだことがほとんどない中でのドクターストップ。静養して治療に専念し、再起を目指す。

 穏やかな笑顔、ソフトな話し口調で知られる八千草が人知れず、がんと闘っていた。複数の関係者の話を総合すると、一昨年12月の人間ドックですい臓にがんが見つかった。翌年1月に約7時間かけて摘出手術を受けていた。

 予後は良好で体力も回復。ドラマ収録や昨年8、9月に主演舞台「黄昏」もこなした。共演者も驚くほどの元気ぶりで会見では「よくステーキを食べ、毎朝歩くこと」とスタミナを保つ秘けつも明かしていた。

 抗がん剤治療と定期検診を続ける中、今年に入って肝臓付近にがんが見つかった。本人は責任感が強く治療を後回しにしてでも仕事続けたい希望を伝えたという。しかし、医師から治療に専念することを勧められ、納得したという。小柄な八千草は山登りを趣味にするなど足腰も強く、これまで仕事を病気で休んだことはほとんどない。

 体調管理を聞かれた際には、毎日同じ時間に体重計に乗ることを日課と答えている。食事も腹7分までと決め、体重だけでなく基礎代謝も測り、体調の細かな変化をチェックしてきた。1月に88歳になったが、驚異的な若さを誇る八千草に年齢は関係なく、あくまで復帰を見据えての静養と受け止めているという。

 テレ朝はこの日、4月から1年間にわたって放送される倉本聰作「やすらぎの刻~道」で八千草の役が風吹ジュンに変更することを発表。同局は「体調不良により、やむなく静養されることになりました」と説明。今作は17年に話題を呼んだ連ドラ「やすらぎの郷」の主人公・菊村栄(石坂浩二)の執筆脚本「道」が映像化されていく過程を描くもの。八千草は「道」のヒロインの予定だった。「やすらぎメンバー」の“姫”こと九条摂子役としては撮影を終えている。

 ◆テレ東ドラマも出演は厳しい… 八千草がレギュラー出演していたテレビ東京系ドラマ「執事 西園寺の名推理」(上川隆也主演)のパート2が4月に始まることも先ごろ発表された。パート1では伊集院家の奥様役の好演が話題になったが、現在の治療に専念する状況から、出演は厳しいとみられる。

 ◆八千草 薫(やちぐさ・かおる)1931年1月6日、大阪府生まれ。88歳。47年、宝塚歌劇団に入団。在団中より舞台と映画の両方に出演。宝塚史を代表する娘役スターの一人。退団後の57年、映画監督・谷口千吉氏と結婚。主な出演作に映画「宮本武蔵」「くじけないで」「ゆずり葉の頃」、テレビ「岸辺のアルバム」など多数。「理想の奥さん」「理想の母」で何度も上位に入っている。

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