里見香奈女流名人、2年ぶり黒星「ちょっと強引な仕掛けでした」

スポーツ報知
敗れた里見香奈女流名人

 第3局が10日、千葉県野田市の関根名人記念館で行われ、先手の挑戦者・伊藤沙恵女流二段(25)が里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=に105手で勝ち、対戦成績を1勝2敗として反撃を開始した。本領を発揮する鉄壁の受けで対里見戦の連敗を10で止め、女流名人戦5番勝負は6戦目での初勝利となった。女流名人の10連覇は持ち越しに。第4局は18日、東京都渋谷区の将棋会館で行われる。

 女流名人戦では2017年1月22日の5番勝負第2局(上田初美女流四段)以来、2年ぶりの黒星。1991年度の女流王将戦で林葉直子さん(51)が記録した女流棋戦最多10連覇に28年ぶりに並ぶ快挙は、次局以降に持ち越しとなった。

 伊藤が誘導した角交換から振り飛車に。桂損して竜に成り込んだ。「ちょっと強引な仕掛けでしたが、攻めていこうかなと。でも▲3六角に対してパッとした手がなく、だいぶ悪くした」。昼食休憩明けの挑戦者の一手から苦しみ続けた。

 昨年12月に捻挫した左くるぶしは完治していないが、敗戦後の大盤解説会場には松葉づえを使わず登壇。ファンに弱々しい姿を見せなかったのは王者の意地か。「気持ちを切り替えて自分の力を出し切りたい」。2年前に初めて味わった連敗は、もう許さない。(筒井 政也)

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