脱ぷん、放尿、よだれベタ~…台本通用しない「坂上どうぶつ王国」のドタバタ舞台裏

スポーツ報知
収録が終わり勝又さんにパグゾウを渡す坂上忍

 かわいい動物の表情やしぐさで、お茶の間に笑いや癒やしをもたらす動物バラエティー番組。そのほほ笑ましい舞台の裏側はどうなっているのか。今回の「潜入Ho!道」ではフジテレビ系「坂上どうぶつ王国」(金曜・後7時)の撮影現場に潜入。動物たちのカメラが回っていない場所でのハプニングや世話に奮闘するスタッフを追う。そこには予想のつかない展開がいくつも待ち受けていた。(浦本 将樹)

 午後2時半。スタジオ収録は6時半開始だが、出演の約4時間前に今回のゲスト・ころん(チワワとパピヨンのミックス=11)はフジテレビ入り。スタッフ用の台本にも「子犬 IN 14:00」の文字。大切な出演者の“一人”だ。初めての場所は犬が動揺するため、早い時間からスタジオに慣れさせる。

 番組はMCの坂上忍(51)や出演者らが、都内の水族館や海外の動物園などでロケを行い、スタジオでVTRを流してトークを進める。スタジオに動物がゲストで呼ばれることが多く、担当は制作スタッフの勝又郁乃さん(33)ら3人。カメラが回っていないところでの世話や現場での案内を行う。

 この日は番組にたびたび登場する坂上のペット・森田パグゾウ(パグ=8)も出演し計2匹を世話。昨年10月に同番組が始まってから動物と仕事する勝又さんだが、パグゾウからは自ら抱っこを求めて来られるほどに懐かれている。坂上も勝又さんには「目配り気配りがきく方。今となっては、ぼくの番組では欠かせない存在になっています」と全幅の信頼を寄せる。付いたニックネームは「ママゾウ」だ。

 午後5時にパグゾウもスタジオ入り。午後6時15分には毎回恒例となっている犬同士の「顔合わせ」が行われた。「動物同士をいきなりスタジオで会わせると驚いちゃうから」(勝又さん)。キャストたちの打ち合わせにも参加した2匹は、出演に向けお互いの尻の穴をくんくんと嗅ぎ合い(犬同士のあいさつ)準備は整った。

 いざ収録開始。冒頭で坂上や出演者らに抱えられるパグゾウを遠目に見守る勝又さん。カメラが離れるとパグゾウを受け取って鼻水を拭く。おやつをあげるとスタジオ横に置かれる巨大ケージへ。縦2メートル横3メートル近くありそうなケージには水もトイレシートも完備。動物たちの控室だ。ころんと2匹で遊ばせながら休ませる。午後7時、ころんが特技を披露に本番へ向かうのをパグゾウが心配そうに見つめていた。

 何が起こるか分からない動物番組。スタジオで企画説明用にオモチャを並べて静止画を撮っていても、興味津々のパグゾウが近づいてディレクターが止めることも。ケージでは、ころんがトイレを外したが除菌スプレーとティッシュを常備する別のスタッフが一瞬で処理…。

 過去にゲストでイノシシが数頭来た際、アテンドする勝又さんの足が「何か温かい」と思ったらおしっこまみれに。別の回ではスタジオから戻って勝又さんに抱えられたパグゾウが、安心して服の上で脱ぷん。またある回ではゲストに来た大型犬のグレートデンのよだれが多すぎて辺りがベタベタに。ティッシュを持ったスタッフが走り回った。動物たちに台本は通用しない。だが「それでもかわいくて仕方ない」と実家で犬2匹を飼っていた勝又さんは笑う。

 スタッフによると気をつけているのは意外にも「動物たちのテンションを上げすぎないこと」。スタジオのにぎやかさに動物がつられてしまうと、後で疲れが残ってしまうため「元気すぎるな、と感じたら抱っこして頭をなでて落ち着かせます」という。

 番組を支えるのはキャスト、スタッフらの動物愛だ。収録後は控室で、ころんの頭をなでる坂上とパグゾウをずっと抱え続けるサンドウィッチマン・伊達みきお(44)。出演者、動物もまざって和気あいあいだ。収録終了は午後9時半。伊達とママゾウに見送られたパグゾウは名残惜しそうに局を後にした。

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