大物歌手・橋幸夫が因縁の安倍里葎子と35年ぶりのデュエットを果たすまで

スポーツ報知
橋幸夫と安倍里葎子

 ベテラン大物歌手の橋幸夫(75)が、15日放送のTBS系「爆報!THE フライデー」(金曜・後7時)にスタジオ出演し、自分を裏切った因縁の歌手・安倍里葎子(70)と35年ぶりのデュエットを果たすまでの経緯を赤裸々に明かした。

 1960年のデビュー曲「潮来笠」や吉永小百合とのデュエット曲「いつでも夢を」などで国民的スター歌手となった橋だが、番組では現在「芸能界一怖い」男と紹介。安倍の「裏切り」に対する橋の怒りの表情の「怖さ」もクローズアップされた。

 安倍は70年「愛のきづな」でデビューし、50万枚のヒットを記録して一躍人気歌手となったが、75年に既婚のタレントとの不倫が暴露されて大バッシングを浴び、事務所やレコード会社と決別、仕事を失った。

 このどん底の安倍に声をかけたのが橋だった。自分の事務所に招き、83年に安倍とのデュエット曲「今夜は離さない」を発売して売り上げを順調に伸ばした。

 ところがこの直後に安倍は失踪し、何も告げずに独立。恩をあだで返す形となった。

 不義理から30年後の2013年には番組の企画で再会を果たし、和解したものの、「橋さんとまた歌いたい」と訴える安倍に橋は「おれはあんたとは歌いたくない」と冷たかった。

 それからさらに5年がたって、取材に応じた安倍は現在“介護貧乏”の状態。足腰が弱くなった89歳の母・セツコさんを介護しながら、ディナーショーなどでわずかに歌手活動も続けているが、介護施設の料金は1か月17万円と、2人の年金の合計23万円のほとんどは介護関係で消費してしまうという。安倍は幼いころに離婚したセツコさんに女手ひとつで育てられた一人娘で、「まだ親孝行していない」と話す。

 そんな暮らしをしていた昨年、橋から突然の電話があり「もう一度おれと歌わないか」と誘われたのだとか。

 橋は安倍の介護生活を知人から聞いていた。自分も認知賞の母を6年間介護した経験があり、その過酷さも知っている。「もう1回、おれとデュエットで歌う姿を、お母さんにみせる」と手を差し伸べた。安倍は酒を毎日飲んでいて声帯が荒れ、歌っても高音が出にくくなっていた。

 そして昨年12月20日、橋主催のディナーショーに安倍はリハーサルなしのぶっつけ本番で登場する。直前の楽屋あいさつで「2週間、酒を断った」ことを明かした安倍を、橋は「たった2週間しかやめられないのか」「けじめでピタっとやめなきゃだめだよ」としかりつけたが、本番でデュエット曲「今夜は離さない」を35年ぶりに披露したときは、サビの高音部分を見事に成功。橋もステージでうれしそうにうなずいた。

 番組では、その実際の映像を紹介し「長い因縁は幕を閉じた」と締めくくった。

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