朝日杯連覇を目指す藤井七段　決勝で渡辺棋王との初対戦が実現「大変な強敵。挑戦者の気持ちで」

　将棋の第１２回朝日杯オープン戦の準決勝が１６日、東京・有楽町朝日ホールで行われ、連覇を目指す藤井聡太七段（１６）が第１回優勝者の行方尚史八段（４５）に後手番の１２０手で勝ち、決勝に進出した。

　中盤戦の途中で両者一分将棋に突入する持久戦となったが、藤井七段は終始落ち着いた指し回しで相手陣に生まれた一瞬のスキを攻略した。局後は「序盤から一手一手、バランスの取り方が難しい将棋でした」と振り返った。

　午後２時３０分開始の決勝では、準決勝で若手俊英の千田翔太六段（２４）を破った第６回優勝者の渡辺明棋王（３４）との公式戦初対戦に臨む。「棋王は充実しているのでこういった舞台で指せることを楽しんで、全力を尽くしてぶつかりたいです。大変な強敵なので挑戦者の気持ちで」と抱負。迎え撃つ渡辺棋王は「自分も初対戦を楽しみにしていたので、張り切って指したいと思います」と語った。

　朝日杯は持ち時間各４０分の早指し棋戦。ファンの前で指す公開対局で行われる。藤井七段は昨年の朝日杯で羽生善治九段（４８）、広瀬章人竜王（３２）を破って史上最年少の棋戦優勝を達成した。