伊藤沙恵女流二段「危機感足りなかった」…里見香奈女流名人が10連覇

スポーツ報知
敗れた伊藤女流二段

 5番勝負第4局が18日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、先手の里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=が87手で挑戦者の伊藤沙恵女流二段(25)に勝ち、対戦成績3勝1敗で10連覇を達成した。宝刀の中飛車で挑戦者の居飛車穴熊を破壊して防衛。女流棋戦のV10は1990年度の女流王将戦での林葉直子さん(51)以来28年ぶり2人目。平成最後の女流名人戦で大台到達を果たした絶対王者を林葉さんも祝福した。

 土俵際でのもうひと踏ん張りがきかなかった。伊藤は狙い通りに穴熊に囲ったものの、有効な攻めが発見できないまま劣勢に。「危機感が足りなかった。もう少し慎重に指すべきだった」と悔しさを押し殺すように振り返った。

 昨年の女流名人戦は悪夢の3連敗。今期も開幕から2連敗だったが、第2局は終盤に粘りを見せ、第3局の完勝譜につないだ。その勢いも、本局には生かせず。「自分の大局観が悪かったのが反省点。できればもう一局、指したかったですが…」と残念がったが「課題が見つかったので、また、この舞台に帰ってこられるよう、足りない部分を改善したい」。3度目の正直へ、またリーグ戦を勝ち抜いて挑戦権をつかみ取る。(筒井 政也)

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