笑福亭松之助さん死去 上方落語界の最長老、さんまの師匠

スポーツ報知

 お笑いタレント・明石家さんま(63)の師匠で、上方落語家の笑福亭松之助(しょうふくてい・まつのすけ、本名・明石徳三=あかし・とくぞう)さんが22日午前3時過ぎ、老衰のため、入院先の兵庫県西宮市内の病院で死去した。93歳。さんまと同じ笑福亭一門の笑福亭鶴瓶(67)の師匠・6代目笑福亭松鶴(1986年没)の弟弟子で、上方落語界の最長老だった。

 長男は落語家・明石家のんき(51)、次男はバレエダンサーのパーポ明石(48)。葬儀は家族葬で営まれ、後日、お別れ会が開かれる。さんまは、師匠の最期には立ち会えず、関係者から亡くなったことを伝え聞いた。23日に、大阪城公園内にオープンする新劇場「TTホール」の開場記念公演「さんま・岡村の花の駐在さん」に生出演予定。発言が注目される。

 上方では異端児だったさんまの“生みの親”が亡くなった。松之助さんは48年に5代目松鶴に入門。2代目松之助として吉本新喜劇の発足時には演出や脚本を担当するなどマルチな活躍を見せた。74年、その多彩な活躍ぶりにほれ込んだ18歳のさんまが弟子入りを直訴。本名の「明石」を亭号にして、迎え入れた。

 「くしゃみ講釈」「軽業」など明るい古典落語で本格派の実力を見せる一方、その軽妙なキャラクターを生かして、NHK朝の連続テレビ小説や映画「パッチギ!」などで俳優としても活躍。12年11月には大阪・カンテレのさんまのトーク番組「さんまのまんま」の生放送にゲスト出演。さんまが「元気そうですね」と声を掛けると「そりゃ、金もうけやもん」と返し、師弟の息の合ったやりとりを見せていた。

 特技は水泳で94年の全日本マスターズ水泳短水路大会大阪大会では2部門で優勝。83歳だった09年にはソフトバンク主催のお笑い大会「S―1バトル」に出場して“現役”ぶりを証明した。

 ◆2代目笑福亭松之助(しょうふくてい・まつのすけ)本名・明石徳三。1925年8月6日、兵庫・神戸市生まれ。48年6月、5代目笑福亭松鶴一門に入門。12日後に初舞台を踏み、50年1月に寄席デビュー。以後、喜劇役者としても活躍。2009年には「S―1バトル」に出場。16年3月、初の著書「草や木のように生きられたら」を出版。

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