窪田正孝、NHK朝ドラ「エール」主演…「闘魂こめて」「六甲おろし」作曲の古関裕而氏モデル

スポーツ報知
20年度前期の朝ドラ「エール」の主演を演じる窪田正孝

 NHKは28日、2020年度前期の連続テレビ小説(月~土曜・前8時)のタイトルが「エール」に決まり、俳優・窪田正孝(30)が主演を務めると発表した。男性主演は14年後期「マッサン」の玉山鉄二(38)以来、6年ぶり。昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏と妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルにした夫婦の物語を描く。この日、制作発表会見に出席した窪田は「全身全霊で演じる」と意気込んだ。

 グレースーツ姿の窪田が会見場に現れると、ヒロインの登場を予想していた会見場がざわついた。主演抜てきに「本当に光栄です」と喜んだ。

 男性主演の朝ドラは1961年の第1作「娘と私」で北沢彪(きたざわ・ひょう)が務めるなど初期作品に散見される。だが近年はヒロインものが定着し、今回が11作目となる。

 窪田の朝ドラ出演は「ゲゲゲの女房」(10年前期)、「花子とアン」(14年前期)に続く3作目。最近、NHK側からの出演オファーを知ったそうで「朝ドラで主役と聞いて、僕は女性と思われているのかな」といたずらっぽく笑った。

 演じるのは、昭和という激動の時代を生き、人々の心に寄り添う名曲を生み出した作曲家・古関裕而氏をモデルにした天才作曲家・小山裕一。古関氏は全国高校野球大会の歌「栄冠は君に輝く」、巨人の球団歌「闘魂こめて」、阪神の球団歌「六甲おろし」などを作曲した。

 神奈川県出身で小学校時代、野球経験があるという窪田。当時、松坂大輔擁する横浜高を応援していたと明かし、「六甲おろしは子供の頃からすごく耳に入ってきて、甲子園の動画などで改めて聴かせてもらった。子供から大人まで『阪神タイガース』と叫んでいるのを見て、愛されている応援歌なんだと感じた」。

 放送翌年の21年は東日本大震災から10年。物語は古関氏の出身地である福島からスタートする。「福島、日本全国の皆さんが元気になるようなドラマにしたい」と制作統括の土屋勝裕氏。窪田の起用理由については「繊細な部分と駄目な部分など幅広い役柄を演じられ、人気のある方」と説明した。

 妻・金子役のヒロインのオーディションは3月から行い、ゴールデンウィーク明けの5月に決定する。クランクインは今秋予定。

 ◆古関 裕而(こせき・ゆうじ)1909年8月11日、福島市出身。旧制福島商業学校(現福島商業高等学校)卒業。30年、愛知県豊橋市在住の内山金子と結婚。同年、コロムビアの作曲家になる。戦前に「露営の歌」などの歴史的作品や、戦後に「長崎の鐘」など希望を抱かせる歌謡作品を発表。菊田一夫氏とのコンビでNHKラジオ・ドラマ「鐘の鳴る丘」「君の名は」などの主題歌を発表。作曲作品総数は約5000曲。69年、紫綬褒章を受章。79年、福島市名誉市民第1号。89年8月18日、死去。享年80。

 ◆窪田 正孝(くぼた・まさたか)1988年8月6日、神奈川県出身。30歳。2006年「チェケラッチョ! in TOKYO」でドラマ初主演。12年NHK大河「平清盛」の平重盛役で大河初出演。主な出演作は、ドラマ「アンナチュラル」「僕たちがやりました」「Nのために」、映画「東京喰種 トーキョーグール」など。身長175センチ。血液型B。

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