舞踊家の花柳幻舟さん死亡 橋から転落か

スポーツ報知

 舞踊家の花柳幻舟(本名・川井洋子)さん(77)が2月28日、群馬県内で倒れているところを発見され、病院で死亡が確認された。橋から転落したと見られている。

 同県警安中署によると、花柳さんは安中市の「めがね橋」下の遊歩道で倒れているのが見つかり、病院に運ばれて死亡が確認された。同署は、写真を撮影中に誤って転落した可能性があるとしている。

 花柳さんは1980年2月、家元制度に反対して国立劇場で日本舞踊・花柳流家元を包丁で襲って負傷させたほか、90年11月の天皇陛下の「即位の礼」パレードの際、路上に爆竹を投げて道交法違反罪で罰金刑を受け、支払いを拒否して労役に服した。自伝「冬の花火」などの著書がある。

 署によると、発見されたのは2月28日午後5時ごろで、約1時間後に死亡が確認された。転落したとみられる地点の高さは約23メートルで、持っていたデジタルカメラに、橋の上から真下の遊歩道を撮った写真が残っていた。

 めがね橋は連続したアーチを持つ、旧国鉄信越線のれんが造りの鉄道橋で、橋の上を歩くことができる。

 ◆花柳幻舟(はなやぎ・げんしゅう)本名・川井洋子。舞踊家。西日本を回る旅役者の娘として生まれ、2才のころから舞台に立つ。16歳のころに劇団が解散となり、喫茶店のウエイトレス、モデル、電話交換手など多くの職業を体験。1966年、花柳流の名取りとなる。68年、大阪・中座で「花柳幻舟リサイタル」を開き、家元制度の不条理を告発。80年には花柳流家元(三世)花柳寿輔を包丁で刺し傷害罪で服役した。73年、創作舞踊「残・情死考」を東京で発表。75年、カナダのクロード・ガニオン監督による映画「KOTO」に出演。83年、山形県西村山郡西川町に「花柳幻舟人民劇場」を建設。84年、自らの獄中体験を綴った単行本「夕焼けは哀しみ色」原作によるテレビ朝日系ドラマ「花柳幻舟獄中記」に主演。87年から関西テレビ「ワイドショーWho」にレギュラー出演。89年にドイツ・ハンブルグ市の協力を得て同国の独立プロダクションが制作した花柳幻舟ドキュメンタリー映画「扇の刃」が91年「ライプツィヒ国際映画祭」でグランプリを受賞。90年には、天皇陛下の祝賀パレードの車列に爆竹を投げる事件を起こし、道交法違反(路上危険行為)による罰金の支払いを拒否して服役。その後は執筆活動や各地での講演活動を行ってきた。

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