「万引き家族」が8冠 安藤サクラ、最優秀主演女優賞に涙…日本アカデミー賞授賞式

「第42回日本アカデミー賞」授賞式が1日、都内で行われ、是枝裕和監督(56)の「万引き家族」が作品賞、監督賞のほか、安藤サクラ(33)の最優秀主演女優賞、昨年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)の同助演女優賞など最多の8冠に輝いた。同主演男優賞は役所広司(63)が、同助演男優賞は松坂桃李(30)が、ともに「孤狼の血」で受賞した。
昨年5月のカンヌ国際映画祭で、21年ぶりに日本映画で最高賞「パルムドール」を獲得した「万引き家族」が、日本アカデミー賞でも圧巻の強さを発揮した。
作品賞のほか、15部門のうち最多の8部門で受賞。先日発表された米アカデミー賞の外国語映画賞部門では惜しくも受賞を逃したが、“日本代表”としての実力を証明した。是枝監督は昨年「三度目の殺人」でも最多の6部門を獲得しており、2年連続での快挙となった。
授賞式の最後に作品賞が発表されると、是枝監督のほか、リリー・フランキー(55)、安藤サクラ、松岡茉優(24)らキャストが壇上に集結。後ろに樹木希林さんの写真が大きく映し出される中、それぞれが喜びを語った。
是枝監督は「撮影からちょうど1年。長い旅をこの作品と一緒に続けて来ましたが、本当にいいラストを迎えることができました」と笑顔。リリーも「知らないうちにお祭りが続いていて、魔法にかかっている間、楽しく過ごさせていただきました」と続いた。松岡は「こういう時、たいていものが浮かぶタイプの人間なんですけど…」と言葉を詰まらせ「ありがとうございました」と絞り出した。
主演女優賞に輝いた安藤は、一昨年6月の長女出産後、同作がほぼ初仕事。時には授乳しながら撮影に臨んだが「子供を抱えながら現場に来るのは、罪悪感もあった」と振り返り、涙ぐんだ。「子育ても映画の現場も全力でなければならない。どう両立したらいいのか全くわかりません」と現在も悩んでいると明かしつつ「自分自身を整えて、また映画の世界に戻ってきたいって思いました」と力強く誓っていた。