豊島将之2冠が名人挑戦者に 将棋順位戦A級を制す
スポーツ報知

将棋の第77期順位戦A級最終一斉対局が1日、静岡市で指され、豊島将之2冠(28)=王位、棋聖=が久保利明九段(43)に先手番の133手で勝利し、リーグ戦を通算8勝1敗で制して初の名人挑戦権を獲得した。4月に開幕する7番勝負で佐藤天彦(31)に挑み、3冠を目指す。
順位戦の頂点に立ち、名人挑戦権を獲得した豊島2冠は「挑戦するのは今年の目標だったので、決められて良かったと思います」と淡々。昨期は開幕5連勝と首位を走ったが、残り5戦で4敗と失速した苦い記憶があるが、今期は最後まで強さを見せた。「1年間を通して(のリーグ戦)、なのでうまくいかない時もあるけど粘り強く指そうと思っていました」。昨夏に棋聖、王位を連続奪取。一気の3冠を目指すことになったが「タイトルを取ったことで気持ちに余裕が出来たことは良い方向に向かったと思います。挑戦できることは自分としてはありがたいです」と笑顔を見せずに抱負を語った。
佐藤名人は奨励会時代からの盟友。「奨励会の時から戦ってきた相手と名人戦を指せるのは感慨深いです」。7番勝負に向け「これから準備して、名人戦をしっかり戦っていきたいです」と語った。
豊島2冠は愛知県一宮市生まれ。桐山清澄九段門下で1999年に9歳で奨励会に入会。2007年に四段昇段を果たして平成生まれ初の棋士となった。10年度の王将戦からタイトルに4度挑戦して届かなかったが、今期に入って覚醒した。7月の棋聖戦で羽生善治棋聖(当時=48)を破って初タイトルを獲得。9月の王位戦では菅井竜也王位(当時=26)を破って、2冠となった。