50歳でB級2組復帰決めた杉本昌隆八段、昇級逃した弟子の藤井七段へ「先に待ってる」

スポーツ報知
昇級を決めた杉本昌隆八段

 将棋の第77期順位戦C級1組の最終局が5日、東西の将棋会館で一斉に行われ、杉本昌隆八段(50)が千葉幸生七段(40)に先手番の85手で勝ち、通算9勝1敗でB級2組への昇級を決めた。弟子の藤井聡太七段(16)も都成竜馬五段(29)に勝ち、同じく9勝1敗としたが、前期成績による持ち順位の関係で昇級はならず。32年ぶりの師弟同時昇級とはならなかった。

 杉本七段は50歳以上で順位戦昇級を果たした史上17人目、21世紀では2人目の棋士となった。

 以下、主な質疑応答。

 ―昇級の感想を。

 「昇級争いをするのが目標でした。昇級できたのはひとえに幸運でした。順位戦は実力のある人が上がるもの。自分に資格があるのかという葛藤を抱えながら臨んでいましたが、今期は失ったものを取り返す気持ちでした。昇級を諦めかけた時期もありましたけど、諦めなければ結果を出せることを証明できました」

 ―どんな気持ちで最終戦に臨んだか。

 「前局の船江戦は入れ込み過ぎたので(注・和服姿で臨んだ)、今回は自然体で…。でも昨日は全然…夜明けまで2時間くらいしか眠れませんでした。調整に失敗しましたけど、前に出る将棋を指せたかなと思います」

 ―50歳での昇級になりました。

 「50歳の誕生日(昨年11月)はうれしくなかったですけど、注目していただけたことが良かったのかな、と。若手は非常に強いので気持ちの上では負けないつもりで」

 ―藤井七段は昇級を逸した。

 「…。今期は(同級に)藤井がいたから昇級争いできた。一緒に昇級するのが夢でしたので、自分だけ上がって申し訳ない気もします。(前局を終えた時に)『他の人に頑張ってもらわないとね』とは話しました。棋士としては最高の気持ち。師匠としては複雑な思いです。(藤井七段には)『一足先に上がったけど、B級2組で昇級争いをしたいので、先に待ってる』と言いたいです。必ず近いうちに昇級するので。B級2組で共に戦う日を待っています」

将棋・囲碁

×