羽生善治九段、イチロー引退に「遠い存在。引退しても存在感は変わらないと思います」

スポーツ報知
羽生善治九段

 将棋の羽生善治九段(48)が22日、前日に現役引退を表明した米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45)について語った。

 共に90年代半ばに頂点を極め、平成という時代を通じて活躍を続けた同世代の英雄について「遠い存在。すごいという言葉が陳腐になるくらいすごい。引退しても存在感は変わらないと思います」と敬意を述べた。

 22日、東京都渋谷区の将棋会館での対局を終えた後、取材に応じた。

 以下、一問一答。

 ―イチロー選手が引退を表明した。

 「今日の朝、起きてから知りました。すごく驚いた感じはなかったです。続けていても驚かなかったですけど。(進退を)どういうふうにされていくか注目されていたので、最後の日本での試合ではファンの方々にとっては思い出に残る試合になったのではないかなあ、と思います。特別補佐という今までにない対応をされ、ニュースを読む度にイチローさんの存在感を感じていました」

 ―もう試合を見られなくなる。

 「ずっと長く続けられていく、ということをご本人もコメントされていたので残念ではあります」

 ―イチロー選手がNPBの最多安打記録を樹立した1994年に羽生さんは6冠を獲得した。どのような存在として見つめていたのか。

 「非常に若くして活躍され、その後、メジャーに行かれて。そこから先はイチローさんにしか出来ない道のりを歩いていっている、という受け取り方をしていました」

 ―励ましや刺激を受ける存在だったか。

 「いや、特にメジャーを行ってからは遠い存在ですね。どう言えばいいんでしょうか…他の人には出来ないことを成し遂げ続けている存在です」

 ―94年のNHK紅白歌合戦の審査員として同席したが、その後の交流は。

 「お会いしたのは紅白の審査員の時だけです。あの時、ご挨拶をしたくらいで」

 ―ファンとしては今後、どうなっていってほしいか。

 「引退しても存在感は変わらないと思います。野球の世界において、他の人に成し得ないことをやり続けてほしいと思います」

 ―印象に残るプレー、ゲーム、シーンは。

 「だいたい普通にいつもヒットを打っていて、隙あらば盗塁しているイメージですね。この試合、というよりも、試合に向かっていくストイックさが象徴的で印象に残ります。残された記録はありすぎて、もちろん素晴らしいとは思いますけど、続けていることにすごさがあると思います。(ストイックさを)誰も真似できなかったからこその様々な活躍だったんじゃないかと思います」

 ―印象に残る言葉など…。

 「言葉というより、存在や日々行っていることが既に大きな存在感になっている方だと思います」

 ―共感する部分は。

 「個人的には、イチローさんは遠い存在です。すごいという言葉が陳腐になるくらいすごい。メジャーに行った方はたくさんいますけど、野手であれだけの活躍した人は他にいないです。特別な存在だと思っています」

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