イチロー引退会見生中継で誤表示連発の「Abema TV」が見解 「試験的な取り組み。人の手で作業したような精度は実現できていない」

スポーツ報知
引退会見のイチロー

 マリナーズのイチロー外野手の現役引退会見を生中継したインターネット放送「Abema TV」の字幕に誤表示が相次いだ問題でサイバーエージェント宣伝本部メディア広報がスポーツ報知の取材に見解を示した。

 今回の誤表示は、「Abema TV」が21日深夜に開かれた、イチローの引退会見を「速報 引退会見イチロー選手(45)緊急会見」と題し生中継した。この際に、「リアルタイむ字幕AIポンが作成中」とテロップを表示し、会見の質疑応答を字幕で表示した。

 ところが、この字幕が「選手生活」が「性生活」、「今回」が「今大麻」、「今日のこと」が「今日のお題」、「自分にとって」が「ジムに通っ」、「なんか体験」が「なんかお香体験」などと誤表示が連続し、SNS上で「Abemaの記者会見、毎回AIポンが酷すぎて爆笑してる」「AIポンの完成度はかなり低い。まだまだ人間がやれることは多いなと思う。誤字脱字多くただただ失礼な文章が同時に映り目障りだったな」「イチローの会見をAbemaTVで見てたんだけど、AIポンが強過ぎて内容が全然入ってこなかったわ(仰木監督が)ママと上手くいったってどんな状況?差し歯ドラゴンって何?」「もはやイチロー引退以上の衝撃を与えたAIポンの鮮烈なデビュー会見でした」「AmebaのAIポンが無能すぎる」など驚きの反応が集中していた。

 今回の問題についてサイバーエージェント宣伝本部メディア広報は「リアルタイムAI字幕システム「AI(あい)ポン」は、Google社が提供する音声認識テキスト変換サービス等のシステムを活用し開発したもので、電車内など音声をオフにした状態でAbemaTVをご覧になっている方にも、少しでも会見等の内容をお届けすることを目的として、2018年12月から試験的に導入しています。AIが生放送・生中継での発言をリアルタイムで認識し、約1秒後には自動で字幕に変換し表示するという、これまでのテレビには無かった新しいシステムですが、試験的な取り組みのため、人の手で作業したような精度はまだ実現できていない側面もございます」と説明した。

 その上で「音声認識の精度は、Google社の同システムに従い、日々少しずつ向上していくもので、直ちに人の手で作業したような精度になるわけではありませんが、今後も日々のケースをもとに知見を蓄積し、精度の向上を図ってまいります」と示した。

 「AI(あい)ポン」は、昨年12月10日に同局が試験的に導入。Googleの音声認識テキスト変換サービス「Cloud Speech-To-Text API」をベースに、LASSICによる「LASSIC Speech Recognition」を活用。生放送中の出演者の音声をリアルタイムで認識し、字幕として画面に出力、表示までが約1秒と、他局の字幕よりも大幅に短縮されている。

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