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光速ウクレレ少年・近藤利樹-大阪の小学生がベネズエラの有名人になった理由

2018年7月4日15時40分  スポーツ報知
  • 世界で話題の天才ウクレレ少年・近藤利樹。エンゼルス・大谷に似ているとの説も…

 「ナニワの光速ウクレレ少年」こと近藤利樹が4日、メジャー第1弾ミニアルバム「UKULELE DAYS」をソニーミュージックレーベルズからリリースした。軽快かつ、超絶テクを駆使しながらウクレレを奏でる大阪生まれの小学6年生は、すでに南米ベネズエラではちょっとした有名人でもある。ウクレレとの出合いや、今後の夢について聞いた。

 普段は明るく、爽やかに笑ってばかりいる小学生。しかしステージに立つと、近藤は腕利きのミュージシャンへと変貌を遂げる。まるで歌うように、豊かにウクレレを奏でる。その姿と音は、自然とオーディエンスに笑みをもたらす。

 「ウクレレの魅力は、人を笑顔にできるし、自分も楽しめる楽器であるところ。あとは、何でもできる。めっちゃハワイアンにしたり、エレキギターみたいにしたりとか。いろんな音が出せるのが、本当に面白い」

 初めてウクレレを手にしたのは、6歳になったばかりの頃だ。家族で「コストコ」へ買い物に行くと、楽器売り場に展示されていたウクレレに目を奪われた。

 「ウクレレが光っているように見えた。神様が『弾け』と言っているような気がして。欲しかったんやけど、買ってくれなかった。そしたらクリスマスプレゼントに、お父さんの友達が買ってくれたんです」

 4弦が織りなす世界の虜になった。小学校から帰宅すると、まずウクレレを弾いた。休日は起床後、すぐにウクレレに触れた。時間を忘れるほど、演奏に没頭した。2016年には9歳でソニーミュージックソニックアカデミーウクレレコンテストで優勝。それにしてもどうして、これほどまでに上達したのだろうか。

 「なんでかが、わからへん。気づかないうちにできるようになっていた。最初は教室で習っていたけど、今は独学です」

 フジテレビ系「ポンキッキーズ」や関西の人気番組「ちちんぷいぷい」に出演するなど、テレビなどで演奏を披露する機会も増えた。そして、その実力は地球の裏側にも知られることになる。近藤が名曲「コーヒールンバ」をカバーし、ユーチューブにアップしたところ、ベネズエラの国民的歌手がこれに反応。近藤の奏でるウクレレに合わせて歌うという、コラボ動画を発表したのだ。すると、再生回数は爆発的な数値を記録し、動画のコメント欄には同国の公用語であるスペイン語によって、賛辞の書き込みが相次いだ。

 「コメントとか、何語かよく分からないのとかもある。世界中の人に聴いてもらえて、めっちゃうれしいです。いつかベネズエラに行って、演奏してみたいなあ」

 世界に目を向け、夢を語るその表情は、心なしかエンゼルス・大谷翔平を想起させた。

 今回リリースしたメジャー第1弾ミニアルバム「UKULELE DAYS」も、話題曲がそろう。1曲目の「デッカイばあちゃん」はNHK「みんなのうた」でも6月から放映されている。近藤が実際に暮らす、声が大きい祖母との実体験をもとに制作された、孫とおばあちゃんを描くハートウォーミングな曲だ。さらに「コーヒールンバ」やフィンガー5のカバー「学園天国」も収録。あのウクレレ界の世界的至宝、ジェイク・シマブクロが初めてプロデュースした「ソーラン節」など、バラエティーに富んだ構成となっている。ジェイクからは「感情を乗せて弾くこと」「ただ立って弾くのではなく、全身全霊で弾くこと」といったアドバイスをもらった。

 「すごく優しい人だった。弾き方とか、めちゃくちゃ影響を受けています」

 今後、共演したいアーティストは? そんな問いには照れ笑いを浮かべながら、「欅坂46」と明かしてくれた。平手友梨奈のファンだという。するとウクレレを取り出し、彼女らの代表曲「サイレントマジョリティー」を独自の解釈で弾いてくれた。原曲の冒頭を彩るギターサウンドをウクレレで巧みに表現。力強くメロディーを奏でるとともに、ストロークも駆使して、同曲の持つメッセージを浮かび上がらせてくれた。本当にこれが小学生の演奏なのだろうか-。それほど、歌心あふれる素晴らしいものだった。

 「この前、撮影の現場で、他の仕事で来ていた平手さんが1メートル以内におったんやけど、気づかなかったんですよ。すごいショックで、晩ご飯ではお肉も飲みこめないぐらいでした」

 彼のウクレレは聴く人を幸せな気持ちにさせる。その音色が日本中に、地球上に広がっていくといい。近藤利樹、11歳。小さな体には、無限の可能性が詰まっている。(記者コラム 加藤 弘士)

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