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フジテレビ社長が豪語「必ず結果は出る」…復活への大勝負“3セット改編”が熱い!

2018年7月7日11時0分  スポーツ報知
  • 徐々に勢いを取り戻しつつあるフジテレビ

 平均視聴率で好調のテレビ東京に追い上げられるなど、低迷が続いていたフジテレビが変わりつつある。

 この4月に断行した全日の改編率28・2%、ゴールデン29・8%、プライム29・5%という「史上最大の改編」のもと生み出されたドラマや新バラエティーの数々が徐々に追い風を呼びつつある。4月クールの長澤まさみ主演「コンフィデンスマンJP」、ディーン・フジオカ主演「モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―」など視聴率を速報する「スポーツ報知」のweb記事のコメント欄には「面白い」「毎回、ハラハラする」など評価する声が書き込まれた。

 しかし、両作品とも最後まで2ケタ視聴率には届かなかった。「コンフィデンスマンJP」がラスト2回9・5%、9・2%と健闘。“惜しい”フィニッシュを迎えたのが、やや目立った程度だった。

 そこで6日、東京・台場の本社で開かれた宮内正喜社長(74)の定例会見で、社長と編成担当の石原隆取締役(57)に、あえて作品名を挙げて聞いてみた。

 「ネット上などでは視聴者の評判が高かった両作品だが、いざ視聴率となると2ケタに届かない。評判と数字の乖離(かいり)の原因を、どのように分析しているのか?」―。

 この質問の前の動向分析で「4月改編も1クール、3か月がたち、私としては一定の評価をしています。3本のドラマも視聴者の評価は高かったと聞いています。内容面でも評価をいただいたものが多かった。評価(を得る)まで若干、時間がかかるものもあるが、既存の番組でも評価が上がってきたものがあります」と話していた宮内社長は、この質問に「私はまあ、評価してますが…。石原取締役、どうですか?」と並んで座る石原氏に話を振った。

 常に率直に答えてくれる石原氏は「民間の調査会社の満足度のアンケート調査でも高いところにランキングされています。ただ、世帯視聴率という点ではもう一歩というのは、おっしゃる通りなので…。録画視聴が多いなどの要因があると思いますが、コンテンツはしっかり届いているという思いはあります。あとはいかにリアルタイム視聴率に移動できる方策を立てたいと思っています」と話した。

 石原氏の言葉通り、同局が生み出すコンテンツは確かに視聴者に“届き始めて”いる。6月20日に放送された「林修のニッポンドリル」が4月スタートの新番組として初となる2ケタ超え10・3%を記録。しつこいほどに日大アメフト部問題を追い続ける坂上忍(51)MCの「バイキング」も6月の月間視聴率で5・6%を記録。2014年4月1日の番組開始以来、初めて月間視聴率で横並び2位に浮上。トップのTBS系「ひるおび!」に肉薄している。

 業績面でも、2018年3月期の売上は前期比マイナス7・1%の2606億7700万円も営業利益は11・3%アップの44億8300万円、経常利益は同6・4%アップの48億2900万円と共に増益。減収も同局としては6年ぶりの増益を果たしている。

 「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチフレーズのもと、82年から93年まで12年連続で視聴率「三冠王」に輝いた栄華も昔話になりつつあった同局だが、昨年6月に就任した宮内社長の「とにかく視聴率を上げて業績を回復する」という大号令のもと、社内が変わりつつあるのは確かだ。

 この日の会見で就任1年の感想を聞かれた同社長はまず「私は就任早々に全社員に向け、非常事態宣言を発しました。緊張感を持って、仕事に取り組んでもらうようにしました。様々な現場にも全て足を運びました」と、テレビ業界で話題を呼んだ「非常事態宣言」というキーワードを改めて口にして振り返った。

 その上で「社員の熱気に様々な現場で触れる事で我が社には、まだまだポテンシャルがあると分かった。必ず復活すると思いました。業績面でも6期ぶりに減益から脱却することができたし、視聴率回復の兆しも見えてきた。各所からのフジテレビのドラマ復活という声も届いている。自信を持って、視聴者の期待に応える番組作りを続けていきたい」と張りのある声で続けた。

 かねてから同社長が唱えてきたのが、「去年の10月改編、今年の4月改編、この秋の10月改編と3つのセット改編で勝負していく」という“3セット改編”での視聴率復活案。この日、「最後の勝負、10月改編に向けての策は?」という気の早い質問に「それは秘中の秘だから」と笑わせた同社長だったが、直後に「社員の意識が変わった。必ずセット改編の成果が出ると感じています」とメガネの奥の目をギラリと光らせた。

 懇親会の席などで「俺はもうすぐ後期高齢者だから」と笑わせるテレビ業界の裏から表まで全てを知るベテラントップの、この気合と熱さ。そして、ポジティブさ。暗さからは何も生まれない。フジテレビが変わりつつあるのは確かだ。(記者コラム・中村 健吾)

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