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タッキーは結局、ジャニーさんの何を受け継ぐ?「ジャニーイズム」とは

2018年9月14日16時22分  スポーツ報知
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 13日未明に電撃発表された「タッキー&翼」の解散、そして滝沢秀明の年内引退。まだまだ現役でやれる“トップアスリート”の滝沢が下した決断にはとてもビックリしたが、同時に納得した。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長と滝沢には、ただの社長と所属タレントという関係性では測れない強い絆があったからだ。

 一部で、滝沢はジャニー社長の「後継者」と報じられたが、それはあくまでも、社長業など経営に関してではない。何度も2人を取材させてもらった筆者の個人的な見解としては「後継者」という言い方はあまりしっくり来なくて「理解者」というニュアンスが一番ピッタリなように感じる。人を喜ばせたい、ビックリさせたい、新しいエンタメを届けたい―。年齢もビジュアルもまったく違う2人だが、その意欲は驚くほど似ていた。滝沢から奇想天外な演出プランを聞くたび、ジャニー氏と滝沢は合わせ鏡のようだと思える瞬間もあった。

 とりわけ、引退後の滝沢が着手するのがジャニーズJr.の育成だ。ジャニー氏は滝沢に何を求めようとしているのだろうか。数年前、ジャニー氏に「才能あるスターをどうやって見抜くんですか」と尋ねたことがある。ジャニー氏は考え込むそぶりも見せず、まっすぐ答えた。「子どもたちは、みんな『生きる才能』を持っている。それを伸ばしたり、ヒントを与えたりするのが大人の仕事です」。生まれてきたことがまず最も優れた才能。その先の人生をどう導いてあげられるかに心を砕いているのだと、スーッとした心持ちになったことを覚えている。

 今回、ジャニー氏は滝沢にその役割を託そうとしている。まだ何者でもない「可能性の塊」を見抜き、育て、開花させる。36歳の青年にのしかかる重圧は計り知れないが、ジャニー氏から「生きる才能」を見いだされ、導いてもらった経験を身をもって知っている滝沢なら、きっとその教えを受け継いでいける気がする。何年かかるかはまだ未知数だが、どっしりと腰を据えた育成を期待している。

 あと、蛇足かもしれないが、滝沢の引退報道のインパクトが強すぎたことで、今井翼の退所のニュースがそっと脇に追いやられてしまったのは、メディアに携わるひとりとして、少し責任を感じている。ワイルドな見た目とは裏腹に、誰よりもストイックで優しく、ダンスが美しく、きまじめな男。メニエール病と闘う日々はきっと、想像もつかない孤独な時間だったことだろう。体と心をしっかりと休めて、元気になった今井と新しい場所で再会できることを心から願う。(記者コラム)

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