•  スポーツ報知のWebサイト限定コラムがスタートしました。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

モー娘。世代の記者が吉澤被告の保釈に複雑な思い

2018年9月28日16時0分  スポーツ報知
  • 報道陣の前で謝罪する吉澤ひとみ被告

 24歳の私にとってアイドルで最初に思い浮かべるのは「モーニング娘。」だ。だからこそ、吉澤ひとみ被告(33)が保釈され、報道陣に向け頭を下げた時、何とも言えない複雑な思いを抱いた。

 小学生の時に「モー娘。」は女の子の間でも大流行。地元の祭りの景品で当たった今思えば正規品ではない吉澤被告の下敷きを使い、中学生の時はダンスの授業で「ハッピーサマーウェディング」(00年)を踊った。現在も一番好きな楽曲「シャボン玉」(03年)をダウンロードし、仕事の前に聴いて気分を高めている。

 芸能担当記者となり、石川梨華の結婚式にモー娘。OGが集結し、「ハッピー―」を披露したという話を耳にした。卒業してもモー娘。を大切にする姿にほっこりし、その時代に生きられたことに胸を張りたくなったこともあった。

 自分にとって永遠のアイドルだと思っていたが、吉澤被告の行動で崩れ去った。上司から吉澤被告の逮捕の一報を聞いた時、東京・新橋駅前で「げっ」と、大きな声で驚いてしまった。それから原宿署に直行。どこかで本当なのかと思っていたが、同日午後21時半頃、中野署から移送された吉澤被告は車の中でうつむいていた。表情は見えなかったが、とてもがっくりきた。

 帰り道、1人で竹下通りを歩いた。捨てられているゴミ、地面についているガム、素早く動いた野良猫…足元ばかりに目がいって疲れがどっと体にきた。

 27日午前8時半ごろ、吉澤被告が保釈される様子を取材しようと、小雨が降る中、再び原宿署に向かった。すでに約60人の報道陣が集結。普段は裸眼だが、保釈の瞬間を逃さないようメガネをかけた。

 午後5時31分、吉澤被告が保釈された。頬はこけ、少しやつれた表情。8秒かけて深々と頭を下げた。その時、子どもの頃、夏休みに放送された日本テレビ系「24時間テレビ」で「でっかい宇宙に愛がある」(02年)のパフォーマンスを見るためにテレビの前で待ちわびていた時のことを思い出した。

 テレビのむこうでキラキラしていた憧れの人は今、人としてありえない行動をし、被害者に謝罪している。悲しいほどまぶしいフラッシュを浴びている。吉澤被告の車にむかって「がんばれ!」と何度も叫ぶ女性ファンの声が聞こえた。その励ましの声にすっと冷静になった。

 がんばれよりもまず反省を。許されざる罪を犯し、被害者、家族、仲間そしてファンを苦しめ悲しませたのだから。吉澤被告がなぜ飲酒状態で車を運転したのか、なぜ被害者を見捨てたのかはこれからの裁判で明らかになることを祈るが、ウソをつかずに被害者、裏切った人々、そして吉澤被告自身のためにも誠意を見せて欲しいと心から願う。(記者コラム)

コラム
注目トピック
今日のスポーツ報知(東京版)