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小林幸子、氷川きよしら大物歌手に教わった本物の義理と人情

2019年2月8日16時0分  スポーツ報知
  • 氷川きよし
  • 小林幸子

 今年1月から約4年ぶりに演歌担当も兼任することになった。恒例の新年、節分イベントなどに足を運びながら懐かしさをかみしめている。

 1月、小林幸子(65)のツアー東京公演を取材した際、復帰のあいさつをしようかなと本人に近づいた。芸能人は報道陣に限らず事務所やレコード会社など、常に多くの人に囲まれている。内心「顔を見て分かってもらえなかったら、あいさつは今度にしよう」と思っていると「あら久しぶり!」と笑って声をかけてくれた。

 思ったことを何でも口にしてしまう悪い癖のある私は「本当に覚えてくれてます?」と意地悪な返事をしてしまった。すると小林に「何言っているのよ浦本さん。奥さん(小林と同じ)新潟出身の方でしょ」と即答され、こっちの方が驚いた。果たしてそんな話をしたのはいつのことだったのか…。そもそもそんな話したんだっけ…。質問しておきながら、こっちが全く思い出せないというのに。

 今月、氷川きよし(41)にも取材後あいさつに行った。以前担当だった時、近所のホームセンターで見かけたことがあり、後日、本人に伝えると「何で声かけてくれなかったんですか~」と言われたことがあった。そんなことを回想しながら近づくと、氷川はこちらの顔を見るなり「あ! 最近は近所にスーパーができましたよね!」。また驚いた私が「あ、そうですよね」と薄い反応をすると「今度はそこで会いましょう」と満面の笑顔を返された。その時以来、私たちが現場で顔を合わせると「じゃあオオゼキで」があいさつになってしまい、周囲から疑問の目で見られている。

 2人とも紅白歌合戦に何度も出場した大物中の大物だ。記憶力がすごいのか、国民的歌手の人間力ということなのか。4年間あったブランクと距離をあっという間に詰めてくる。あるレコード会社関係者に「彼らはすごいですよね」と漏らすと、「この世界は人とのつながりが全てですから」。サラリと言われた言葉にハッとした。

 よく「演歌の世界は義理と人情」と言われる。これまでも何度か書いてきたし、使い古された言葉ではある。だが締め切り時間にばかりとらわれ、深く考えずキーボードをたたいていたこと気付かされた。本物の「義理と人情」とは何なのか、2人の大物歌手に改めて教わったような気がしている。

(文化社会部・浦本 将樹)

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