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「一人で背負わないで」ピエール瀧容疑者逮捕で発揮された博多大吉の“対応力”

2019年3月15日16時9分  スポーツ報知
  • ピエール瀧
  • 博多大吉

 コカイン若干量を使用したとして「電気グルーヴ」のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された事件は、各業界に波紋を呼んでいる。とりわけTBS系ラジオ「たまむすび」(月~金曜・後1時)では木曜パートナーを7年務めていた。その前番組「キラ☆キラ」も含めると実に10年間にわたり同局の木曜のラジオの顔であったことから、長らく番組を愛するリスナーにとっては衝撃の展開となった。

 逮捕翌日の13日の生放送。「たまむすび」のメインパーソナリティーの赤江珠緒アナウンサー(44)の胸中を思うと、聴いているほうもつらかった。しかし、水曜パートナーの博多大吉(48)の存在に救われたリスナーも多かったのではないか。

 番組の冒頭で感情が揺れ、それでも必死で言葉をつむごうとする赤江アナの言葉を大吉は丁寧に聞き、優しく受け止めていた。その上で赤江アナが「私が産休のとき、(瀧容疑者が)ふらっと実家まで来てくれて、本当にうれしかった。そんな風にこっちが(会いに)行くときもあるだろうな、と思って…」と、現段階では少し踏み込みすぎのように思えた発言もあったが、大吉はすかさず「あまりにも急なバッドニュースすぎて(番組の)対応が後手に回ってる部分もある。どうなってるんだというお声もあるけど、いつも通りの放送をしたい」とフォロー。そのさりげなさが胸にしみた。

 さらに大吉は、軽くひと笑いとった後に「赤江さんさ、そうやって一人で背負わなくてもいいですよ。赤江さんが悪いことではないですし、一人じゃないですし、僕らもスタッフもリスナーさんもいるから、一人で抱え込まないで」とエール。“通常運行”に戻すべく、涙声の赤江アナがお便り募集のメッセージを読みかけると「メールの場合は〇〇、FAXの場合は03…」とごく自然に声を重ね、「一人じゃない」ということを証明して見せたのだった。

 なにかがあったとき、自分よりも傷ついている人に同情することは簡単だ。しかし、押しつけがましくない距離感で、ちゃんと「いつも通り」を提示してあげることこそ、本当の意味の優しさなのではないだろうか。最近は「神対応」という言葉が頻発し、たいしたことじゃなくてもすぐに神格化されるようなきらいがあるが、今回の件において大吉の対応は本当にすばらしかった。「たまむすび」は今後の放送もまだまだ前途多難ではあるが、大吉先生の言うとおり「一人じゃない」のだ。チーム一丸となって、今後も楽しい放送を届けてもらえることを期待している。(記者コラム)

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