藤波辰爾と蝶野正洋がプロレス黄金期80年代の秘話を告白、伝説のマイク「お前、平田だろ!」の真相とは…

スポーツ報知
トークショーを行った藤波(左)と蝶野

 プロレス界のレジェンド、藤波辰爾(64)と蝶野正洋(54)が12日、東京・日本橋三越本店でトークショーを行った。

 今回のトークショーは現在、同店新館7階で開催中の「1980年代展」の一貫として行われ、新日本プロレスの先輩後輩の2人は、金曜夜8時にゴールデンタイムで生中継されていた80年代の思い出を披露した。

 藤波は、80年代を「長州(力)選手とバンバンやりあった時期。ゴールデンタイムで生中継されて、試合も年間240~50試合ぐらいやってましたね。1回シリーズ出たら季節が変わったこともあった」と振り返った。

 蝶野は「80年代の最初は高校生で入門したのは84年。ゴールデンタイムで藤波さんと長州さんの試合を見て、プロレスって外国人選手と日本人がやるのが定番だと思っていたんですけど日本人同士がやってこんなスポーティーなスイングする試合があるんだってビックリして、藤波さんに憧れて、長州さんじゃありません、藤波さんに憧れて入ったんです」と持ち上げると、藤波は「さすが、この場をわきまえてね」と苦笑い。これに蝶野は「藤波派か長州派なら私は藤波派です。仲人も藤波さんです」と声を大にしてアピールしていた。

 藤波は、80年代のプロレス界を代表するマイクパフォーマンスの「お前、平田だろ!」発言の秘話を披露した。これは85年5月17日に熊本県立総合体育館でのテレビ生中継の試合でストロングマシーンの覆面をかぶっていた平田淳嗣に向かって「お前、平田だろ!」と暴露した伝説に残るパフォーマンスだ。

 藤波はマイクについて「試合終わった後は興奮して自分で頭がまとまってないのにマイクを持ってしゃべっちゃう。マイクを持つようになったのは長州とからかな」と振り返ると、蝶野は「長州さんとはお互いに何を言っているのか通じてたんですか」と聞くと「ニュアンス。だいたいこんなこと言っているんだろうなって」と笑わせた。

 その上で「お前、平田だろ!」発言を「興奮してるから分からない。あの当時、選手がマイクを持つことってなかったから、マイクを差し出されたら何かいわなきゃいけないと思ってそのまましゃべっちゃった。マシーンじゃなくてそのマシーンの中身をしゃべっちゃった」と明かすと会場は爆笑に包まれた。

 さらに蝶野は入門時の秘話を披露。84年に新日本に入った時は、4月に前田日明らが当時、設立されたばかりのUWFへ移籍。さらに9月に長州らが大量離脱した激動の年だった。「入った時は前田さんたちもぎりぎりいるかいないか状態だったんで武藤選手とか新弟子が8人ぐらい残っていて、この8人を辞めさせるために毎日、ずっとスクワットばっかりやらされた。それが長州さんたちがいなくなったら突然、会社の対応ががらっと変わって君たち大丈夫か。合宿に行くからみんな付いてきてねって言われて。ハワイに行くって言われて、いきなりハワイかと思ったら常磐ハワイアンセンターだった」と笑わせた。

 さらに選手が不在の状況で会社の対応が変わったため「オレたちありがたくて選手辞めてくれないかなってみんなで言っていた。次、誰か辞めないかなって。みんな辞めたらトップのメインイベンターに上げてくれるんじゃないかって」と同期の選手とさらなる離脱者が出ることを願っていたと明かすなど、80年代の秘話連発に会場は大いに沸いていた。

 「1980年代展」は、現代日本文化のエポックとなる文化の源を世代を超えて体感、共感し懐かしさだけでないメッセージを発信するイベント。ファッションの変遷、携帯電話など今につながる様々な新アイテム、熱狂的マニアを獲得したアニメ、コミック、さらにアイドル、バンドブーム、プロレスなどサブカルチャーのアイテムなどを展示している。藤波のガウン、WWWFジュニアヘビー級王座のベルトなどが展示されている。展覧会は13日まで。

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