飯伏幸太、棚橋に惜敗でG1初優勝ならず!涙で「絶対にまだあきらめません」

スポーツ報知
平成最後のG1クライマックスで準優勝に終わった飯伏幸太

◆新日本プロレス「G1クライマックス28」最終戦 ▽「G1クライマックス28」優勝決定戦・時間無制限1本勝負 〇棚橋弘至=Aブロック1位=(35分00秒 ハイフライフロー→片エビ固め)飯伏幸太=Bブロック1位=●(12日、東京・日本武道館=観衆1万2112人札止め)

 フリーの立場で参戦の「ゴールデン☆スター」飯伏幸太(36)が棚橋弘至(41)をぎりぎりまで追い詰めたが、あと一歩、頂点には届かなかった。

 気合満点の表情で入場した飯伏。いきなりセカンドロープを使ってのムーンサルトプレスを炸裂させると、その後もトップロープからのスワンダイブ式のラ・ケブラータ、雪崩式フランケンシュタイナーと、抜群の身体能力を生かした天才ならではの攻撃で新日のエースを追い詰めた。

 しかし、最後は「100年に1人の逸材」の意地を見せた棚橋のハイフライフロー3連発の前に屈辱の3カウントを聞いた。その時、試合時間はG1史上最長の35分を数えていた。

 試合後も3分以上、横たわったままだった飯伏。セコンドについた「ゴールデン☆ラヴァーズ」の盟友・ケニー・オメガ(34)に抱き起こされると、涙がポロポロとこぼれた。

 歩み寄った棚橋との握手を拒否し、バックステージに引き上げると、精根尽き果てた形で座り込んだ。

 「ここまで頑張った。36年、頑張った。まだ、足りませんか? まだ、ダメですか? まだ、まだ…」とつぶやくと、「あきらめることはしたくないですけど、ちょっと、あきらめそうな自分がいます」と弱気なコメントも飛び出した。

 それでも「でも、1回あきらめて、2年前に復帰したから、絶対にまだあきらめません。何が何でもベルトを取りにいきます」ときっぱり。2016年に新日とDDTを同時退団。迷走の時を過ごした誰もが認める天才児は、最後に自分に言い聞かせるように言った。(中村 健吾)

 ◆飯伏 幸太(いぶし・こうた) 1982年5月21日、鹿児島・姶良(あいら)市生まれ。36歳。キックボクシングや新空手に熱中後、2004年7月、DDT東京・後楽園ホール大会でのKUDO戦でレスラーデビュー。09年からは新日本プロレスに参戦。ケニー・オメガとのタッグチーム「ゴールデン☆ラヴァーズ」で活躍。11年にはIWGPジュニアヘビー級王座を奪取。13年、DDTと新日のダブル所属を発表。15年にはAJスタイルズの持つIWGPヘビー級王座に挑戦するなどエース格に成長も16年2月、両団体からの退団を発表。個人事務所・飯伏プロレス研究所を設立し、フリーランス選手として各団体のリングに立つ一方、路上プロレスなどの活動も。愛称は「ゴールデン☆スター」。181センチ、92キロ。

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