藤波辰爾の長男LEONA、骨折での長期欠場で授かった父からの金言「転んでもただで起きるな」

スポーツ報知
長期欠場の心境を明かすLEONA

 プロレス界のレジェンド、藤波辰爾(64)の長男で「ドラディション」に所属するLEONA(25)が左足距骨の骨折で長期欠場を余儀なくされている。

 LEONAによると、今回の負傷は7月13日の練習中に骨折したという。当初は「捻挫だと思っていて軽く考えていました」という。当時はノアの「グローバルジュニアヘビー級タッグリーグ戦」に参戦中で「ケガをしても何とか出場したい」と思っていたが、都内の病院で診断の結果、左足甲の部分にある距骨(きょこつ)の骨折で全治まで「2か月ぐらいかかる」と告げられ「試合は無理」とドクターストップをかけられた。

 距骨は、足首に近い骨で治療が難しい部分という。そのため手術を要し2週間ほどの入院を強いられた。2013年11月のデビューから現在ではノア、DRAGON GATEなど様々な団体からオファーがかかり着実に飛躍していた矢先の思わぬ落とし穴は初めて経験する挫折で「リーグ戦を途中で欠場して、その後も試合が決まっていたのに自分の不注意で迷惑をかけてしまって、プロとして悔しかったし申し訳ない気持ちでいっぱいです」と唇をかみしめた。

 現在は退院し「まずは歩行できることから始めています」と長期欠場の無念を振り切り、リハビリに専念している。「上半身は元気なので、いつ戻ってもできるように自分なりにトレーニングをしています」と前を向いている。

 父親の藤波は、1989年から90年にかけ椎間板ヘルニアで1年3か月もの長期欠場を強いられた経験がある。藤波は今回のケガを「自分もいろんなケガをしてきましたが、LEONAが負った箇所は経験のないところで、回復へどんなことが必要なのかとか、なかなかアドバイスするのが難しい」と思いやった。いわば親子で葛藤している今回の負傷。ただ、ひとつ先輩レスラーとして言葉を贈ったという。

 「今回のケガは悔しいだろうけど、転んでもただで起きるな。リングから離れて自分自身を見つめ直すこともできるし、外からいろんな人の試合を見て学ぶこともできる。その中で戻って来た時に今までと違う、変わった何かを見せつけなさい」

 レスラー生活47年の父からの言葉に「ケガをして悔しいことばかりですけど、自分の中ですごく励みになりました」と明かす。

 藤波は、昨年から「ドラディション」の興行でベイダー、ボブ・バックランドらかつて名勝負を展開した外国人のレジェンドレスラーを招聘している。10月19日、後楽園ホールと同21日、大阪南港ATCホールでの「THE REVENGE TOUR」を開催。ツアーには元UWA世界ヘビー級王者のエル・カネックが参戦する。

 カネックは、1978年3月に新日本プロレスに初来日。以後、UWAヘビー級王座を獲得するなどメキシコマットでトップに君臨する活躍を見せた。藤波とは、77年のジュニア時代から抗争を展開。中でも78年3月30日の蔵前国技館でのWWFジュニアヘビー級王座への挑戦が決まっていながら、試合直前に逃亡した「敵前逃亡事件」が有名で以来、両者の因縁が深まり激しい試合を繰り広げた。

 藤波とカネックの戦いを見てLEONAは、何かを感じるだろう。その経験が「何かを変えろ」という父の教えへ近づく一歩になるはずだ。「年内を目指してやりたい。自分でできることは何でもやりたい。一日でも早く」と復帰に意欲を見せたLEONA。デビューから5年。苦難の中から起き上がった時、プロレスラーとしての第2章の幕が開ける。(記者コラム・福留 崇広)

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