神の子“KID”死す 消化器系がん闘病2年…早すぎる41歳

2018年9月19日6時10分  スポーツ報知
  • 05年、「K-1 Dynamite!」で須藤元気(左)にKO勝利し、リング上で跳びはねて喜ぶ山本KID徳郁さん

 神の子、逝く―。レスリングや総合格闘技で活躍したプロ格闘家の山本KID徳郁(本名・岡部徳郁=おかべ・のりふみ)さんが18日、死去した。41歳だった。

 病名は公表されていないが、複数の関係者の話を総合すると消化器系のがんで約2年前に病気が判明。米領グアムで闘病生活を送っていた。1972年ミュンヘン五輪レスリング代表の郁栄(いくえい)氏(73)を父に持ち、姉・美憂さん(44)、妹・聖子さん(38)は世界選手権女王の格闘一家だった。

 日本のプロ格闘技で数多くの名勝負を繰り広げてきたKIDさんが力尽きた。所属ジムの「KRAZY BEE」が18日、公式ツイッターで訃報を発表。「山本KID徳郁を応援して下さった皆様へ 山本KID徳郁(享年41歳6ケ月)が、本日9月18日に逝去致しました」と報告した。

 関係者によれば、KIDさんは闘病生活を送っていたグアムで18日朝、姉の美憂さんら家族にみとられ、息を引き取った。病名は公表されていないが、消化器系のがんだったという。母の憲子さんも1999年に白血病で亡くなっており、自身も約2年前から病魔と闘っていた。KIDさんは8月26日に自身のインスタグラムを通じて、がん闘病を公表。「私事で急なご報告となりますが、私、山本KID徳郁はガン治療のために頑張っています」と告白し「絶対元気になって、帰ってきたいと強く思っていますので温かいサポートをよろしくお願いします!」とつづっていた。

 KIDさんはミュンヘン五輪レスリング日本代表の郁栄氏を父に持ち、姉の美憂さん、米大リーグ・カブスのダルビッシュ有投手(32)の妻で妹の聖子さんも元レスリング世界女王という格闘一家。163センチ、66キロと小柄でレスリング選手だった山梨学院大時代に、チームメートから「子供みたいだからKIDだ」と呼ばれるようになった。

 2001年にプロに転向すると、天性の打撃センスと爆発的な瞬発力で連勝を重ねた。他を圧倒するカリスマ性でスターダムにのし上がった。この頃から自らを「神の子」と名乗り出し、その理由を「尊敬する父が俺の神なんでね。だから俺は『神の子』。格闘の神様の子供なんだ」と語っていた。

 一世を風靡(ふうび)したのが、格闘技が最盛期だった04年大みそかのリング。キックボクシング界のカリスマ世界王者・魔裟斗さんとの対決で、当時の瞬間最高視聴率は31・6%をマーク。魔裟斗さんとは15年大みそかに再戦したが、以降は負傷や闘病生活が続き、プロのマットで戦ったのはこれが最後に。プライベートでは04年8月にモデルのMALIA.と結婚し1男1女に恵まれたが、09年8月に離婚。一般女性と再婚後の14年11月に女児、17年8月にも女児が誕生し、上半身には子供の名前のタトゥーを入れるほど子煩悩だった。所属ジムは「亡くなられてとても残念です。葬儀・告別式は未定です」とした。全力で駆け抜けた41年の人生は、あまりにも短かった。

 ◆山本KID徳郁(やまもと・きっど・のりふみ)1977年3月15日、川崎市生まれ。桐蔭学園高中退―山梨学院大中退。5歳で全国少年レスリング選手権で初出場初優勝。99年に2000年シドニー五輪代表選考で落選し、01年にプロ格闘家へ転向。06年7月に08年北京五輪挑戦も負傷で断念。11年からUFCと契約。プロ成績は16勝6敗2無効試合。家族は妻と1男3女。163センチ、66キロ。

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