ケニー・オメガ、2年ぶり1・4東京Dメインで「完膚なきまでに棚橋を破壊し、辱めようと思う」

スポーツ報知
1・4東京ドーム大会メインイベント発表会見に登場したケニー・オメガ(左)と棚橋弘至

 新日本プロレス最大の大会、来年1月4日、東京ドームで行われる「WRESTLE KINGDOM13」のメインイベント・IWGPヘビー級選手権で激突する王者ケニー・オメガ(34)と挑戦権利証保持者・棚橋弘至(41)が9日、東京・青山の明治記念館で会見した。

 8日、3WAYで行われたタイトルマッチで盟友・飯伏幸太(36)を破り、3度目の防衛に成功したばかりのオメガは黒のサングラス姿で「今、この瞬間に立っている2人の姿にデジャブ(既視感)がある。2016年に俺たち2人は歴史をつくろうとしていたのに、おまえがケガをしてしまった。そこから数年たった。今年に入って、おまえは東京ドームのメインに立つという役割のためにここに立ってきた」と、まずは右ヒザの故障のため、欠場もあった棚橋をチクリ。

 「100年に1人の逸材」として、低迷期の新日を支えてきた棚橋に対して、「素晴らしいことだと思うが、この団体を今、引っ張っているのが誰かを考えて欲しい。使えない若手のレスラーに給料を払うために尽力していたのは誰か考えて欲しい。棚橋、おまえがここに立てているのは俺のおかげ。今まで新日を支えてきたのは、おまえかも知れないが、今の新日を支えているのは俺だ。新日を世界規模にしたのは俺だ。おまえじゃダメだったんだ」と猛アピールした。

 その上で「新日のエース」として常に大声援に包まれる棚橋に対し、「ファンが今、おまえに送ってくれているのは、祈りに似た声援だ。不安でリングの中で死なないでくれという祈りにも似た声援なんだ」と挑発。「東京ドームで全力でおまえを倒しにいく。俺の方がパワーもスピードもあり、大きな夢を持っている。棚橋、おまえはドキュメンタリーでも映画でも楽しんでいればいい。俺は未来のためにここにいる」と主演映画に密着ドキュメンタリー番組出演とタレント活動にも多忙な棚橋を皮肉った。

 席上、棚橋に「ケニーのプロレスには品がない」と言い放たれる場面もあったが、「新日の一員として戦っていることを光栄に思っている。自分のプロレスの美しさ、アートを披露する場を与えてくれたから」と前置きした上で「不思議なことに、その品のないプロレスを見て、うつ病の人やアルコール依存の人が救われたと言ってくれている。これだけグッズが売れている。イベントにも動員できていることは品がないとできないことだ」と反論。

 棚橋の“口撃”に対して、「相手のやっていることに対して敬意を持つべきだ。棚橋は過去、ポッドキャストなどで自分に対してネガティブなコメントをしてきた。それを許してきたのは、これまでは棚橋がタイトル戦線にいなかったからだ。もう言葉だけで何かを伝えることは終わった」と言い切ると、「リングの上で俺は一切妥協せず、完膚なきまでに棚橋を破壊し、辱めようと思う。棚橋はヒーローの顔をして真実を偽っている。裏ではポンコツだ」とバッサリ。「東京ドームでは、エースにヒーローになってもらおうじゃないか。俺は完全にヒールに徹する。棚橋を完全に破壊する。ファンが不安に思っている『棚橋の最後の試合になるんじゃないか』を完全に現実のものにしてやる」と挑発をヒートアップさせた。

 最後に「棚橋自身がIWGPヘビーのベルトを取る最後のチャンスであることも分かっているはずだ。全てを吸い尽くしてやる。その最後の姿をファンは見ることになるだろう。このプロレス・レジェンドが最後のチャンスを戦い、息絶えるところ、レジェンドが最後の最後に崩れ落ちるところを見せたい」とサングラスの奥の目をギラリと光らせると、「IWGPヘビーのベルトがオメガであり、新日本プロレス。自分は伝説にも記憶にも残る王者だ」と堂々の最強宣言も飛び出した。

 あまりに緊迫した会見も最後の最後に「東京ドームの最後をちゃんと締めたいです。平成(最後)とかは関係ないですけど…」と思わず流暢な日本語を披露したオメガ。おちゃめな横顔も見せ、1時間に及んだ会見を締めくくった。(中村 健吾)

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