魔裟斗がKIDさんに弔辞 「本当にこの世にいないんだな…」

スポーツ報知
山本KID徳郁さんの祭壇には思い出の写真や品が並べられていた

 レスリングや総合格闘技で活躍し、9月18日に胃がんのために41歳の若さで他界したプロ格闘家の山本KID徳郁(本名・岡部徳郁=おかべ・のりふみ)さんのお別れの会が4日、青山葬儀所で行われた。1972年ミュンヘン五輪レスリング代表の父・郁栄(いくえい)氏(73)、姉で格闘家の美憂さん(44)ら親族をはじめ、元格闘家の魔裟斗さん(39)、武蔵さん(46)ら、関係者約1000人が、別れを惜しんだ。KIDさんと04年と15年の大みそかに対戦した魔裟斗さんは、“ライバル代表”として弔辞を読んだ。以下がその全文。

 「きょうを迎えるまでは渋谷あたりで『お、魔裟斗君』って現れそうでしたが、この場に立つと、本当にこの世にいないんだな、と実感がこみ上げてきます。本当に残念でなりません。2004年に、リング上から解説席にいた自分に『大みそか、試合やって盛り上げよう』って。大阪ドーム、超満員で戦った試合、アドレナリンが出まくって、唯一戦って楽しかった試合で本当に盛り上がりましたね。当時みんな必死で戦っていて、まさに戦友でした。メディアの前ではやんちゃなことばかり言っていたけど、小さい体で、体重差のある相手にも真っ向勝負してくる姿に、根っからのアスリートで、素晴らしいファイターだと思っていました。その後、11年ぶりに2015年の大みそかに2人で戦って、結果あれがKIDの最後のリングになったのも運命的だったのかもしれません。いつか2人で酒でも飲んで思い出話でもしたかったけど、実現しなかったのが心残りです。KIDも新しい家族もできてこれからって時に病気になってしまって、本当に悔しかったと思います。これからはKIDイズムを持った後輩たちが、KIDのファイトスタイル、魂を継承して、格闘技界を盛り上げてくれると思うので、あの世で見守っていてください。最後の最後まで現役選手、お疲れさまでした。KID、今までありがとう」

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