アントニオ猪木氏と村松友視さん共著『猪木流「過激なプロレス」の生命力』刊行記念コーナーが登場「現役時代の猪木さんを知らない方に知ってもらいたい」…東京・秋葉原「書泉ブックタワー」

元プロレスラーで参議院議員のアントニオ猪木氏(75)と直木賞作家の村松友視さん(78)が10月27日に上梓した初の共著『猪木流「過激なプロレス」の生命力』(河出書房新社。税込み1728円)が好調な売れ行きを示している。
発売2週間で重版が決定し東京・秋葉原の大型書店「書泉ブックタワー」では、プロレス・格闘技関連の書籍を置く4階に『猪木流刊行記念』と銘打ち「“燃える闘魂”アントニオ猪木関連書コーナー」を特別に設置。昨年11月に村松さんが上梓した「アリと猪木のものがたり」(河出書房新社)などの猪木本が販売される書棚には、猪木氏の入場テーマ曲「炎のファイター」を流し、猪木氏の現役時代の写真を掲げ「猪木流ではオレの生き様を語り尽くした。読んでみろ!このヤロー!」。「1、2、3ダーッ!!」などのメッセージを棚に張りコーナーを盛り上げている。
コーナーを設置した書泉ブックタワーの長井義将さん(26)は今回のディスプレイについて「私が考えて作りました」とした上で、その狙いを「今、アントニオ猪木さんを知らない方もいらっしゃると思うんです。現役時代の猪木さんをを知らない方にも知ってもらいたくて作りました」と話した。
猪木氏が引退したのは1998年4月4日。すでに引退から20年が経過している。26歳の長井さんも「私も現役時代の猪木さんの試合は全然、知らなくてユーチューブとか動画サイトで見たことがある感じです」という。猪木氏の試合の印象を「すごいですよね。ストロングスタイルで相手の技を受けて、受けて自分が切り返す試合は、カッコイイですし、何か男らしさを感じます。猪木さんの時代のプロレスは、男の魅力といいますか武骨さがあったような感じがします」と明かした。
同書は、1980年に『私、プロレスの味方です』で作家としてデビューした村松さんが昨年11月に35年ぶりにプロレスについて執筆した『アリと猪木のものがたり』(河出書房新社)の出版を受け、スポーツ報知のメディア局コンテンツ編集部の福留崇広記者が猪木氏と村松さんを個別にインタビューし書籍化に至った。
伝説の一戦となった1976年6月26日のボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリとの格闘技世界一決定戦を始め、タイガー・ジェット・シン、ストロング小林、アンドレ・ザ・ジャイアントなど今も語り継がれる生命力を持つ激闘、猪木氏の師匠、力道山、永遠のライバル、ジャイアント馬場への思いなど猪木氏と村松さんが語り尽くしている。通常の対談とは違い、それぞれのインタビューでの言葉を重ね合わせたことで両者の思いがスイングする内容となっている。
長井さんは、この本の魅力を「猪木さんご本人が語られているので、現役時代の当時の状況とか背景がすごくリアルに伝わってくるところだと思います。多分お客さんにもそこが受けていると思います」と明かす。販売状況は「売れ行きもいいです。プロレス・格闘技関連では今年、出た中でもかなり好調な方です」と明かし、購買層について「猪木さんの現役時代を知っている年配の男性の方が多く買ってらっしゃっています。この本を読んで猪木さんが現役だった当時を思い出してらっしゃるんではないでしょうか」と指摘した。
刊行記念コーナーは「まだまだ売れ行きがいいんで、少なくとも今月いっぱいはやっていきます」と長井さん。「この本の面白さは猪木さんと村松さんがリアルに正直に話しているところ。そのリアルさと猪木イズムを知っていただければと思います」と力を込めていた。