ダイナマイト・キッドさん死去…80年代プロレス盛り上げた“爆弾小僧”

スポーツ報知
タイガーマスクをスリーパーホールドで絞め上げるダイナマイト・キッド(82年1月、山内猛氏撮影)

 イギリス出身の元プロレスラーで、1980年代に初代タイガーマスクらと死闘を繰り広げた“爆弾小僧”こと、ダイナマイト・キッド(本名トーマス・ビリントン)さんが5日、死去したと米プロレス団体のWWEが発表した。死因は不明。60歳の誕生日に亡くなった。

 WWF(現WWE)のリングで活躍し、日本では藤波辰巳(現・辰爾)らと名勝負を演じ、初代タイガーのデビュー戦(81年4月23日、蔵前国技館)の相手も務めた。173センチ、100キロと小柄ながらスピードあるキレ味鋭い技に多くのプロレス・ファンが衝撃を受けた。マット上に倒れている相手に向かい、トップロープからジャンプして頭突きを入れる代名詞の「ダイビングヘッドバット」や、タイガーに頸椎(けいつい)損傷の重傷を負わせた「ツームストーン・パイルドライバー」など多彩な必殺技で一世を風靡(ふうび)。いまや当たり前になったコーナーポストの上での攻防でも先駆者だった。

 体を徹底的に鍛え上げて「肉体の表面張力の限界」と評されたが、英メディアなどによると現役時代に使用していた筋肉増強剤などの影響から引退後はさまざまな病気を患っていたという。

 初代タイガーマスクの佐山聡氏(61)は「最後に会ったのは20年ぐらい前。やせ細って、その頃から車いすを使っていた」と話した。佐山氏は「覚悟はしていたが、非常に悲しい。初めて対戦した時はパワフルで圧力があり、本当に人間なのかとただただ驚いた。タイガーマスクをつくってくれた人でした」と悼んだ。

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