天心VS武尊につながるか、3・10格闘技興行戦争

キックボクシング界の“神童”那須川天心(20)=TARGET=が主戦場とする「RISE」と、立ち技格闘技を牽引し続けている「K―1」が3月10日の同日にビッグイベントを開催。首都圏で興行戦争を繰り広げる。
「RISE」の「RISE WORLD SERIES 2019 1st Round」(大田区総合体育館)は昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.14」でプロボクシング元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(41)=米国=とエキシビションマッチで対戦し、世界に名をとどろかせた那須川が興行の顔で、タイの二大殿堂スタジアムの現王者らを集めた58キロトーナメントに出場する。この他、K―1元スーパーフェザー級GP王者で移籍してきた大雅(22)が61キロトーナメントに出場する。
一方の「K―1」は昨年に続き、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで「K’FESTA.2」を開催。K―1人気を呼び戻したエースの武尊(27)をはじめ、会見でのトラッシュトークが人気の皇治(29)、卜部兄弟ら人気選手をそろえた。
この両大会の盛り上がりで、これまでタブーとされていた両団体の対抗戦への期待がさらに膨らむことだろう。
武尊は、2015年末にスタートしたRIZINの大みそか大会に出場し、KO劇を披露し、K―1ファン以外にも名前を広めた。この大会前には、当時注目され始めていた那須川が、武尊に対戦を直訴していたが実現しなかった。その後も他の格闘家やタレントが“2人の最強”同士の対戦を熱望してきたが、団体同士の壁を超えることは出来なかった。
しかし、昨年12月に「K―1」のリング上で武尊が「団体の壁とかいろいろありますけど、正直実現するのってめちゃくちゃ難しい。時期は分からないですけど、僕は実現させようと思っている」と名前は出さなかったものの那須川との一戦を臭わせるコメントで、日本キックボクシング界の最強同士が拳を交えるスーパーファイトに一筋の光が差してきた。
総合格闘技では、「DEEP」が「DEEP 88」と日本唯一の女子格闘技イベント「DEEP JEWELS」を3月9日に後楽園ホールで昼夜興行を開催する。さらにシンガポールの格闘技団体「ONE」も、3月31日に両国国技館で初の日本大会が決定するなど、日本格闘技が再び熱を帯びている。2020年は東京五輪一色になりそうなだけに、2019年に夢の対決の実現を願いたい。(記者コラム・小林 久剛)