前田日明の復帰を巡って見解が分かれた藤波と長州

スポーツ報知
前田日明

 プロレスラー武藤敬司(56)がプロデュースする「PRO―WRESTLING MASTERS」が15日、後楽園ホールで行われ、セコンドとして参戦した“格闘王”前田日明氏(60)の復帰を巡り、藤波辰爾(65)と長州力(67)の間で見解が分かれた。

 同大会で前田は、同じUWF出身の藤原喜明、長井満也、冨宅飛駈組のセコンドに付き、長州力、藤波辰爾、獣神サンダー・ライガーと対戦した。1999年2月21日、横浜アリーナでアレクサンダー・カレリンと引退試合を行った格闘王は、紺のジャケットにジーンズ姿、テーマ曲「キャプチュード」にのって入場。会場から凄まじい前田コールで迎え入れられ、根強い人気を示した。

 試合中は、椅子に座ってリングを見守った前田は、期待された“乱入”もなく試合は長州が冨宅をリキラリアットで倒し、終了した。試合後、マイクを持ち「ご来場ありがとうございました」などと挨拶すると長州がロープに飛んでリキラリアットを放つフリを見せるアドリブに続き、復帰を再三に渡って呼びかけている藤波がジャケットを脱ぐようにアピールするなど会場は前田を中心に盛り上がりを見せた。

 バックステージで長州は、前田の復帰に「日明は上がらないって」と断言。シャツのボタンがはじけそうになっている体を引き合いに出し、リングに上がるなら「今から1年かかるよ」と笑っていた。

 一方の藤波は「お客さんがこれだけ期待している。あそこまでリングに上がった。リングに上がったら目つきが変わったもんね。上出来でしょ」と復帰に近づいたことへ手応えを見せ「もう少しで背広を脱がせる。4月に前田をもうちょっとけしかけて。ちょっとお待ち下さい」と4月21日に大阪、同26日に後楽園ホールで行う「ドラディション」の興行へ前田を引っ張り出すことへ意欲を露わにした。

 復帰を巡って見解が分かれた長州と藤波だが、その熱の違いは今年6月26日で引退する革命戦士と生涯現役を目指す藤波との立場の違いだろう。当の前田は「引退試合をやったんで、ダメですね」と復帰を否定した。

 今年1月24日で還暦を迎えた前田。これだけの人気を目の当たりすると、過去の恩讐を超えて還暦イベントを開催して欲しいと思う。

 場所は1988年5月12日、新生UWFが旗揚げした後楽園ホールしかないだろう。UWFのテーマにのって、高田延彦、山崎一夫、藤原喜明、安生洋二、宮戸優光、中野龍雄、船木誠勝、鈴木みのる、田村潔司、垣原賢人、冨宅飛駈がリングイン。そして最後に前田がマイクを持つ。60歳の記念にあの新生UWFの選手入場式を再現してくれたら…感涙だ。(福留 崇広)

 ◆2・15後楽園「PRO―WRESTLING MASTERS」全成績は以下の通り。

 ▽メインイベント8人タッグマッチ60分1本勝負

天山広吉、〇小島聡、ヒロ斎藤、スーパーJ with蝶野正洋(17分24秒、ラリアット→片エビ固め)ドン・フライ、●太陽ケア、新崎人生、大谷晋二郎 with武藤敬司

 ▽第4試合6人タッグマッチ45分1本勝負

〇長州力、藤波辰爾、獣神サンダー・ライガー(12分01秒、リキラリアット→体固め)藤原喜明、長井満也、●冨宅飛駈 with前田日明

 ▽第3試合6人タッグマッチ30分1本勝負

越中詩郎、青柳政司、〇斎藤彰俊(16分22秒、スイクルデス→片エビ固め)グレート小鹿、タイガー戸口、●将軍KYワカマツ

 ▽第2試合タッグマッチ30分1本勝負

ディック東郷、〇獅龍(10分51秒、ムーンサルト→片エビ固め)NOSAWA論外、●FUJITA

 ▽第1試合シングルマッチ20分1本勝負

〇高岩竜一(9分44秒、デスバレーボム→片エビ固め)●リッキー・フジ

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