ザ・グレート・カブキさん、デストロイヤーさん悼む「私にとってプロレスの師匠」

“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキとして日米のマットで活躍した米良明久氏(70)が8日、スポーツ報知の取材に応じ、7日に米国の自宅で88歳で死去した人気プロレスラー「ザ・デストロイヤー」ことリチャード・ベイヤーさんを悼んだ。
2017年12月に引退した米良氏は、1964年に日本プロレスに入門。72年にジャイアント馬場さんが旗揚げした全日本プロレスへ移籍し、「高千穂明久」のリングネームでデストロイヤーさんと対戦した。
米良氏は、デストロイヤーさんを「私にとってプロレスの師匠でした。あの人のレスリングを自分はマネしました」と振り返った。具体的に学んだところは「デストロイヤーさんは、体が小さくても相手を攻め込むときの姿勢、動き、常に前向きに相手に向かうスタイルです」と明かした。
全日本時代に、デストロイヤーさんから、その攻める姿勢の秘訣を教えてもらったという。「ゴングが鳴ったら絶対に手を下げるなと言われました。あの人は、必ずどちらかの手が上がって常に前かがみになって、いつでも攻める姿勢をキープしていたんです。相手が寝転がっている時も絶対に両手がブラーンと下がることがなくて、絶対に片方の手は上がっていました。その姿勢をキープすることでお客さんにいつでも戦えることを見せていたんです。だから、カッコ良くてオーラがあったんです」と振り返った。
実際に米良氏が戦ったのは、カブキへ変身する82年以前だけでカブキとなってからは日本でも米国でも対戦したことはなかったという。対戦した時の印象は「常に足だけの1点を攻めてきて、最後に足4の字固めで決めるという説得力のある試合でした。足4の字は、本当に痛かったですよ。かけられたら動けなかったですもん。戦う姿勢が溢れていたから日本のファンにも支持されたんだと思います」と伝説のマスクマンを偲んでいた。