【巨人】サヨナラ負けで4位転落…吉川尚のミスに由伸監督「こういうものも経験としてくれれば」

スポーツ報知
12回2死二塁、代打・伏見(左)にサヨナラ二塁打を浴びた池田(カメラ・石田 順平)

◆日本生命セ・パ交流戦 オリックス3x―2巨人=延長12回=(2日・京セラドーム大阪)

 最後の最後で力尽きた。延長12回2死二塁。7番手の池田は追い込みながらも、代打・伏見に内角真っすぐを捉えられた。左翼手・立岡の頭上を越える痛恨のサヨナラ打を浴びチームは4位転落。両手をついてうなだれた左腕は「ボール球を投げようとした。相手の方が一枚上手でした。ああいうところを抑えないと、ここ(1軍)にはいられない。先頭を出した時点で今日はダメだと思ってます」。

 とはいえ、池田ばかりを責められない。先発・田口が6回に同点とされ、なおも1死一、二塁から谷岡が好救援を見せた。7回からは沢村が1イニングを自責点0。マシソン、カミネロとつなぎ、上原は延長11回を3者三振に斬って流れを呼んだ。同点の際、調子の良い投手から順番に送り込み、味方の攻撃を待つもの。つないだ計6イニングの間に打線が勝機を見いだせないと厳しくなるのは当然だ。由伸監督は「本当にみんなよく投げてくれた」とたたえつつ、「打線? 何とか、まあ、そうだなあ」と言葉を濁した。

 勝負どころは、延長11回2死二塁。相手のミスから得たチャンスだった。

 一塁が空いている状況下、由伸監督は吉川尚の代打に切り札・阿部を送り出した。1点勝負だから、相手は当然のように申告敬遠を選んだ。続く小林には代打・大城。吉田一に見逃し三振で好機を逸した。もしも、阿部より先に大城を代打に送っていたら、相手は勝負してきたかもしれない。阿部を出し惜しみしたくないから、分かっていても慎之助を“捨て駒”にするしかなかった。新人に過度の期待をかけてはいけないが、ベンチは大城に賭け、敗れた場面だった。

 同点の7回2死二塁では、坂本勇の代わりに遊撃でスタメン出場した吉川尚が一塁へ悪送球し、一時は勝ち越しとなる1点を献上した。指揮官は「痛いは痛いけど、これからの選手だし、こういうものも経験としてくれればいい」とかばった。

 わずか、あと1球で打たれた池田。ベンチの期待に応えられなかった大城。命取りになりかねないミスを犯した吉川尚。いずれ、チームの中心に立ってほしい面々だからこそ、失敗を糧にするしかない。(水井 基博)

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