【巨人】由伸監督、好機ミスの岡本に「走攻守きっちりやらないと」

◆日本生命セ・パ交流戦 オリックス3―2巨人(3日・京セラドーム大阪)
巨人打線は計11安打を放ち、3回以降は毎回得点圏に走者を進めながらも2点止まり。10残塁の拙攻でオリックスに競り負けた。同点で迎えた8回無死一、二塁の好機では、ゲレーロの右翼への飛球で二塁走者の岡本が飛び出してしまい、タッチアップで三塁に進めずというボーンヘッド。後続も凡退して流れを失い、直後にマシソンが勝ち越された。チームは6カード連続勝ち越しなしで、最近10試合で2勝8敗と波に乗れないが、5日からの楽天戦(東京D)で巻き返す。
敗因を挙げれば、一つにはならない。あそこで打っていれば…。抑えていれば…。連日の1点差負けに、歯がゆさは増すばかりだ。由伸監督は試合後、中でも走塁ミスを犯した岡本に対しては、苦言を呈した。
「当然、レギュラーとして昨日今日と4番に入っているし、レギュラーとして出る以上は、走攻守すべてにおいてきっちりやっていかないといけない」
同点の8回、先頭の岡本が遊撃内野安打で出塁し、マギーの右前打で一、二塁と好機は拡大した。続くゲレーロの打球は右翼フェンス手前の飛球。ライト線への力強い当たりだから、ベンチのナインも「抜けるか!」と総立ちになった。打球につられるように、二塁走者の岡本はハーフウェーから三塁方向に離れた。慌てて戻るも、右翼手・ロメロが捕球した時にはまだ、ハーフウェー。結局、タッチアップのスタートを切れなかった。
大西外野守備走塁コーチ「ノーアウトでタッチアップに入らないといけないところ。相手の外野の動きを見て、出てしまったのかもしれない…。もう一回、徹底的にチーム全体でやらないと。俺も反省しないと」
タッチアップをしていれば、1死一、三塁で長野を迎えられた。外野フライで1点を取れる状況だから、長野自身も気が楽になる。結果、空振り三振に倒れ、代打・阿部は左飛。この日一番のハイライトだった。
村田ヘッド「あそこがポイントだろうな。もしも抜けて(ホームに)かえれなくても、誰も文句は言わない。慎重? 慎重じゃなくてミスだろ」
もちろん、当の本人も反省しきり。「走塁? そうですね。難しいわけではなかったんですが…」と言葉少なだった。前日(2日)は一塁の守備で、吉川尚のショートバウンドになった送球を捕球できず、相手に勝ち越し点を献上した。練習では、阿部とマンツーマンで捕球フォームを特訓。マギーらも手助けした。今度は走塁の課題が浮上したが、一歩一歩、前に進むしかない。岡本には「第89代~」として大きく育ってほしいから、首脳陣の口調も自然と厳しくなる。
直後の8回裏、マシソンが打たれた。流れとは、こんなものなのだろう。オリックスに1勝2敗。最近10試合は2勝8敗で、8敗のうち6敗が2点差以内で競り負けている。若手選手には、ほろ苦い黒星となった。(水井 基博)