【巨人】12年ぶりの6月以降単独最下位も終盤の粘りに光明

スポーツ報知
9回2死二、三塁、岡本が見逃し三振に倒れて試合終了。天を仰いでベンチへ引き揚げる(カメラ・矢口 亨)

◆日本生命セ・パ交流戦 巨人4―5西武(8日・東京ドーム)

 巨人・菅野が西武・菊池とのエース対決に敗れ、チームは4月17日以来の単独最下位に沈んだ。初回、秋山に先頭打者弾を浴びるなど、今季自己最短の5回10安打5失点で降板。4敗目を喫した。打線は菊池を攻略できなかったが、8回には4試合ぶりにスタメン復帰した吉川尚がワグナーから2号2ラン。9回には3安打に敵失も絡んで1点差に詰め寄った。

 手が出なかったわけではないだろう。岡本は自信を持って見送った。9回、1点差として2死二、三塁。一打逆転サヨナラの場面。増田のカウント1ボール2ストライクからの5球目は外角に外れたように見えた。が、津川球審の右手は上がった。見逃し三振で終盤の猛追も一歩及ばず。由伸監督は「終盤の8回、9回と少し雰囲気が出てきた。明日につながれば」と意地の粘りに光を見いだした。

 冒頭の岡本の打席。2ストライクからの3球目はボール判定となったが、最後の1球よりも際どく見えた。それこそストライクを取られても仕方ないというくらいに。その球がボールならば、それよりも低く、遠く見えたら…。

 今季の1点差試合は4勝11敗。悔いは残る。だが、指揮官が「前半はちょっと何もできなかったのが正直なところ」と指摘したように、菊池の前に7回まで2安打無得点と沈黙した。まだ制球が不安定だった初回2死一、二塁、2回2死二、三塁の好機を逃すと、菊池から反撃の糸口をつかめなかった。6月以降では06年8月4日以来12年ぶりとなる最下位に転落し、借金は今季最多タイの5となった。

 試合終了直後、岡本はバットを持ってブルペンへ行き、スイングを繰り返した。「(菊池は良かった?)見たら分かると思います」と残して球場を後にした。責任、悔しさ。全てを次にぶつける。(西村 茂展)

 ◆06年の巨人 第2次原政権1年目は5月に貯金14と好スタートも、小久保ら主力が次々と戦線離脱し、交流戦で大失速。ディロン、アリアスを緊急補強したが、期待外れで99試合目の8月4日には単独最下位に転落した。最終順位は借金14の4位だった。

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