【巨人】阿部、4番の岡本をバックアップ「俺がしっかりすれば和真もやりやすい」

スポーツ報知
バットを構える阿部(左)と岡本。若き主砲を5番・阿部が援護する

 巨人の阿部慎之助内野手(39)が11日、第89代4番の岡本をバックアップすることを約束した。4番に入って8試合で打率3割7分5厘と、気負うどころかさらに元気になった21歳の若き大砲。阿部が5番に入った試合に限れば打率4割5分5厘と、さらに数字はアップ。「俺がしっかりすれば、和真もやりやすくなる」と阿部。12日からはソフトバンクとの3連戦(ヤフオクD)。阿部が打てば岡本を助けることになり、新4番が打てば、チームは勢いづく。

 日に日に頼もしさを増す新4番に、阿部が触発されないはずがなかった。才能を開花させつつある若き大砲に対して、何ができるか。答えはシンプルだった。

 「(相手チームの)バッテリーからすれば、後ろによく打つヤツがいたら走者をためたくないのは当たり前のこと。俺がしっかりすれば、和真はもっともっとやりやすくなると思う」

 岡本は2日のオリックス戦(京セラD)で第89代4番としてデビューした。初打席でいきなり一発たたき込むと、そこから8試合で打率3割7分5厘と役割を全うしている。大役に臆するどころか、輝きはさらに強くなっている印象だ。そのバットの威力をさらにアップさせるために、阿部が大きな後ろ盾になる。

 自身も第72代の4番として、長らく打線を引っ張ってきた。だからこそ、役割の重さや苦悩、そして後ろに控える5番打者のありがたみはよく分かっている。「俺が4番をやっていた時は、後ろに修一(村田)がいてくれた。それは大きかったと思うよ」。広島では新井が鈴木を後方からバックアップしたことにより、一流のスラッガーに成長した例もある。4番の力を最大限に引き出せるかどうかは、後ろに座る打者が鍵を握っているともいえる。

 ここまで、4番・岡本、5番・阿部の並びでオーダーが組まれたのはわずか3試合ながら、早くも効果は表れているのかもしれない。その3試合で阿部は2本塁打しているが、一方の岡本も11打数5安打で打率4割5分5厘と数字を上げている。「周りにすごい打者がたくさんいるから自分は気楽に打席に入れている」と言う岡本にとって、背番号10がもたらす安心感は大きなものだろう。

 交流戦最後の6試合はパ本拠地でDHが使えることもあり、阿部がスタメンに名を連ねる可能性は高い。400号本塁打も近づいてきているが「チームが勝つことが何よりも優先。そのために自分ができることをやるだけ」。10日の西武戦(東京D)では、9回に岡本がつくったチャンスを阿部がバントで広げ、サヨナラ勝ちにつなげた。大技も小技もある。岡本を生かし、チームを生かすことができるのは、阿部だ。(尾形 圭亮)

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