【巨人】鷹キラー山口俊、無四球5勝目支えた一風変わった鍛錬法

スポーツ報知
5勝目を挙げた山口俊は、ジャビットと共に笑顔でポーズをとった(カメラ・中島 傑)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク2―8巨人(12日・福岡ヤフオクドーム)

 山口俊の剛球がうなった。6点リードの4回1死。デスパイネを内角高めの153キロ直球で空振り三振に打ち取ると、柳田には変化球と直球を内へ攻め、最後はフォークで空振り三振に仕留めた。

 「直球に手応えがあった。力でねじこむことができました」。5月22日の広島戦(宇都宮)勝利を最後に2連敗。「何とか勝ちたかった」と全力で臨んだ。走者を許しても得点は許さず。直球主体で攻め、打たせて取る投球でアウトを重ねた。7回118球5安打1失点と任務を全うし「序盤に点を取ってもらったので、楽に投げられました。カウントが不利な時でも押し込むことが自分のスタイル。続けていくことができれば」とうなずいた。

 山口俊は周りの投手陣とは一風変わった調整を行う。コーチなどにゴムチューブで引っ張ってもらい、引っ張られた方向へダッシュする。体の重心の位置を確認するためだ。下半身に重心がかかった方が、力強い球を投げることができるという。「下半身のパワーがないと、強い球は投げられない」。鍛錬の結果、体の力みがなくなり、キレも生まれてきた。「投げていくうちに姿勢が整えられるようになった」と効果を語る。

 DeNA時代から行ってきた調整法。「昨季はタイヤを引っ張ったりしていたんですが、人に引っ張られた方が強度が違ったりもするので、より鍛えられるんです」。この日も100球近くなった6回、152キロをマークするなど、球威でホークス打線を圧倒した。

 最近の2戦では四球から被弾を許すなど、制球難が失点につながることが課題だった。この日は1死球を与えたが、今季11試合目で初の無四球。力だけでなくコントロールも安定した。これでホークス戦は通算10登板で3勝0敗4セーブ、防御率0・87。先発では3戦3勝と無敵の鷹キラーだ。

 昨年の交流戦では巨人移籍後初登板で、ソフトバンクを相手にマシソン、カミネロとセ球団初のノーヒットリレーを達成。今季も勝利に導き、チームのヤフオクD6連敗を阻止した。自身も今季の交流戦3戦目で初勝利だ。「2試合ともカード頭を取れていなかったので、勝ててよかったです」。由伸巨人に勢いをもたらす快投だった。(玉寄 穂波)

巨人

×