【巨人】岡本2戦連発、首位打者に浮上「今日は勝ちたかった 鍬原さんが投げるから」

スポーツ報知
4回1死一塁、岡本が左越えに12号2ランを放つ(捕手・甲斐=カメラ・相川 和寛)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク4―6巨人(14日・福岡ヤフオクドーム)

 先輩に初勝利を届けたいという思いをバットに込めた。岡本が力強くたたいた打球は、弾丸ライナーで左翼席中段へと着弾した。1点を追う4回1死一塁。1ボールから石川の高めに浮いたスライダーを仕留め、12号逆転2ラン。「ストレートのタイミングで打ちにいって(スライダーに)しっかりと対応できました」。4番の2戦連発に、ベンチ前でキャッチボールをしていた鍬原も思わず両手を突き上げた。

 さらに追いつかれた直後の6回には坂本勇の勝ち越し弾に続き、1死三塁から左前適時打を放つなど、2安打3打点で先輩の初勝利をバックアップした。

 岡本にとって鍬原は、奈良・橿原磯城(かしはらしき)シニアの1学年先輩。同シニアでは10年「ジャイアンツカップ」で全国3位に輝いた経験もある。先輩が自身と同じドラフト1位で指名された時には「ビックリしたけど、すごくうれしい」と話していただけに、この日の勝利は、2日から4番を任されている岡本にとっても格別だった。

 帰り際には、横を歩いていた鍬原先輩に向けて「今日は勝ちたかったんです。鍬原さんが投げるから」と素直な思いも口にした。

 岡本は偉大な先輩からのエールも胸に刻み、この3連戦に臨んでいた。先日、ソフトバンク・王貞治球団会長(78)が「苦労が積み重なって、結果が出ている」と、自身の成長に太鼓判を押してくれていることを伝え聞いた。巨人の第28代4番を務めた「世界の王」からの言葉に「本当にすごいことですね」と、驚きながらも身が引き締まった。そうした中、王会長も見守った敵地での戦いで大爆発。巨人の4番は任せて下さい―と、言わんばかりの活躍だった。

 これで5戦連続マルチ安打で、打率はリーグトップの3割4分3厘に浮上した。「そこは意識していないので自分でもビックリしてます」と話したが、背番号25の活躍は巨人の未来を明るく照らしている。(後藤 亮太)

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