【巨人】菅野、無四球完封で11球団斬り!チーム2位浮上導いた

スポーツ報知
ロッテに完封勝利しジャビットとガッツポーズする菅野(カメラ・中島 傑)

◆日本生命セ・パ交流戦 ロッテ0―5巨人(15日・ZOZOマリン)

 巨人のエース・菅野が無四球で今季3度目の完封。ロッテから自身初勝利を収め、巨人以外の現存する11球団から白星を挙げた。150キロを超える直球と変化球を両サイドに散らし、6安打9奪三振で7勝目。打線は初回先制打の陽岱鋼が、3回にも2号2ラン。4回には坂本勇がこの日3安打目となる2点打を放ち、岡本をかわして打率リーグトップに立った。ZOZOでの連敗も8で止め、2位に浮上した。

 これぞ菅野、という圧巻の投球だった。5―0の4回無死一、三塁。「0に抑えないと最後まで投げさせてもらえないと思った」と中村を三振、角中を遊飛、清田を三振に抑えたギアチェンジ。最速154キロの球威、無四球の制球も抜群だった。交流戦チーム打率トップのロッテ打線を126球、6安打で完封した。その中であえて、挙げたいのが5回の守備だ。

 2死から鈴木に右中間を破られたが、陽―吉川尚―田中俊の中継プレーで三塁タッチアウト。エースはすぐにベンチに帰らず、ZOZOの広いファウルグラウンドで三塁コーチスボックス付近まで前に出て、野手陣を拍手で出迎えて感謝した。チームが一つになって戦っていると感じた。

 プロ6年目。オフから1歳年上で主将の坂本勇と先頭に立ち、若手に厳しい言葉を送ってきた。自身初の日本一への強い思い。それが菅野の最大の原動力だ。今季も打線の援護がなくて負けた試合があったが、不満な態度は全く見せない。常にチームのことを考えているからだろう。先日、聞いた菅野の言葉にも、その強い意志を感じた。

 「自分に勝ちがつくとかつかないとか、そんなことを言うつもりはないです。6回3失点で勝たせてもらうことだってありますし、チームで戦っているわけですから。広島に勝ちたいですし、優勝したい。心から日本一になりたい、と思っているので」

 チームのために、という個人より巨人、自己犠牲の精神が集結すればするほど組織として強い。菅野と坂本勇はシーズン中も密に意見交換し、その熱い気持ちをグラウンドで体現。2人を中心にベンチ一丸で、前のめりで戦っているように見える。借金生活が続いているが、雰囲気は良い。

 菅野は前回登板の8日の西武戦(東京D)、5回5失点で敗れた。「カード頭でチームを勝たせることができなかった」と本当に悔しそうだった。対応した西武打線が見事だったが、あの1試合だけを切り取って菅野と菊池の力量を比較するのは違うと思う。菅野には積み上げてきた、異次元の実績があるからだ。プロ通算138登板で、2試合連続3失点以上が9度しかない。この日も、そのすごみを結果で証明した。

 「涌井さんは素晴らしい投手ですし、残している実績も僕よりはるかに上なので。挑戦者の気持ちで投げました」とエース対決で敬意を示しながら、強い気持ちで熱投した。8回終了後、「(続投に)議論の余地はなかったと思います」とリーグトップ5度目の完投だ。

 首位・広島とは4ゲーム差。大黒柱の快投で、上昇ムードが漂ってきた。(片岡 優帆)

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